イギリスの動物園「ダートムーア野生動物公園」は東京ドーム2.5倍の面積をほこり、200頭以上の野生動物を飼育している野生動物公園でした。しかし、数ヶ月前から営業停止となっており所有者から売りに出されていました。
新聞のコラムニストをしていたベンジャミン・ミーは、動物園を買おうとダートムーア野生動物公園の買収の入札に参加しました。しかし、素人であまりお金を持っていなかったため却下されました。
ところが、それから1年経っても買い手が見つからず、このまま買い手が現れなければ動物園は廃園となり、200頭の動物は射殺される可能性がありました。
どうしても動物たちの命を見捨てることが出来なかったベンジャミンは、動物取扱責任者を手配し5万ポンドの手付金を支払い再交渉。そして2006年10月、売買契約が成立しました。
ベンジャミンとその家族は、200頭の動物の命を守るべく父の遺産と全財産を投げ打って園を買い取ったのです。しかし、動物たちの餌代や治療費、飼育員などの費用が1ヶ月で約400万円かかるため、1日も早く動物園を再開して入場料を得なければなりませんでした。ところが、前のオーナーの時に問題が発生し営業許可がおりない状態でした。
問題は施設の老朽化、ジャガーやオオカミの居住エリアが狭く脱走する危険性、姉妹のトラの仲が悪く一緒にしておくと格闘を始めるため、小屋の中と屋外と1日におきに交代させる状況が5年間も続いているなど。これらの問題を解決しなければ営業を再開することは出来ませんでした。それには多くの資金が必要でした。
ベンジャミンが動物園を買い取ってから4日後、ジャガーがエリアから脱走。トラの飼育エリアに飛び込んでしまいました。どちらか一方を射殺しなければならない状況になってしまいました。しかし、トラが人間の声を嫌う性質を利用して大声を出し、無事トラはオリの中へ。そしてジャガーは麻酔銃で眠らされ無事に捕獲されました。
妻キャサリンは動物園の看板のデザインや財務管理を行いました。そしてイギリス農業組合から多額の融資を受けることが決定。老朽化した施設の補修工事が行われました。
園の名前はベンジャミンの意向で「ダートムーア動物学公園」に変更されました。仲の悪かった2匹のトラは片方が別の動物園へ引き取ってもらうことになりました。
そんな頃、妻キャサリンに脳腫瘍が発見されました。キャサリンは2年前に脳腫瘍を患い摘出手術を行っていました。手術は成功し腫瘍は取り除かれたはずでした。しかし、キャサリンの脳には腫瘍による浮腫が転移し、手術は不可能な状態になっていました。
腫瘍を消し去るためには化学療法に頼るしかありませんでした。しかし、科学療法の効果はなく麻痺が生じてしまいました。キャサリンの脳腫瘍が再発して3ヶ月が経過すると、食事も摂れず歩行も不可能な状態に。2007年3月31日、キャサリンは亡くなりました。
2007年6月4日、全ての補修工事が終了し環境衛生監視官による検査が行われました。無事に営業許可がおりダートムーア動物学公園は2007年7月7日に再オープンしました。
ベンジャミンさんはこの驚くべきストーリーを自伝「幸せへのキセキ―動物園を買った家族の物語」として出版。そして、その自伝にハリウッドが注目し映画化されたのです。映画化の効果も手伝ってかダートムーア動物学公園の年間の入場者数は15万人もの数が見込まれています。
「奇跡体験!アンビリバボー」
動物園を買った家族の奇跡
この記事のコメント
映画を見て感動した♪近年見た中で一番の感動をありがとう!!