病の起源 プロローグ 人類進化700万年の宿命|NHKスペシャル

NHK総合テレビの「NHKスペシャル」病の起源プロローグ人類進化700万年の宿命が放送されました。

 

睡眠時無呼吸症

睡眠時無呼吸症も人類の進化がもたらした病です。夜深く眠れないため昼間に本人の意思とは関係なく眠くなってしまいます。重度の患者になると心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす可能性が極めて高くなります。

250万年前から人類は石器を作るようになりました。もともと硬い草の根や木の実を食べていた人類ですが、石器を使うようになると死んだばかりの動物や肉食動物が食べ残した肉を食べるようになりました。さらに骨を砕いてもっと柔らかく栄養豊富な骨髄を食べ始めました。柔らかくて美味しいご馳走を食べるようになり、噛む力がそれほど必要ではなくなった人類。徐々にアゴは小さくなっていきまた。この過程で大きな影響を受けたのは舌です。人類の舌はもともと前後に長い形をしていましたが、あごが短く小さくなったため舌がおさまるスペースが狭くなってしまいました。その時、人類は舌を小さくするのではなく舌の付け根を喉の方に下げることによってスペースを確保したのです。その結果、口の奥にある空気の通り道が上下に長くなってしまいました。そのため、横になって眠ると舌が落ち込んで気道を塞いでしまうようになったのです。柔らかいものを食べるようになり、アゴを小さく進化させてきた人類。それが睡眠時無呼吸症を生んだのです。しかし、その一方で人類は言葉を獲得したのです。

 

アレルギー

体調わずか10cm柔らかい皮膚を持つ最初の哺乳類アデロバシレウスは外敵から身を守るため強力な免疫システムを必要としていました。その外敵の一つは吸血ダニ(マダニ)です。こうした敵と戦うために哺乳類が獲得したのはIgE(アイジーイー)という特殊な物質を使った免疫システムです。吸血ダニは取り付くと皮膚を溶かすための酵素を出します。すると、哺乳類の免疫細胞は吸血ダニの酵素に対するIgEを作ります。IgEは体内にあるマスト細胞と呼ばれるものの起爆装置となり細胞が爆発。ダニを弱らせる炎症物質を放出します。血液と一緒に炎症物質を吸い込んだ吸血ダニは逃げたりショック死したりするのです。この免疫システムのおかげで哺乳類は2億年もの生存競争を生き抜いてきました。ところが、この免疫システムがなぜか誤作動を起こすのがアレルギーです。体内に入ってきた無害なものにまで過剰に反応し大量に放出された炎症物質が自らの体を刺激します。そのためクシャミ、鼻水、目のかゆみなどが引き起こされるのです。

先進国で特に患者が増え続けているアレルギー。イギリスでは19世紀からヘイ・フィーバーと言われる症状があらわれる患者が急増しました。これは牧草の花粉が原因となったアレルギーであることが分かりました。日本でもスギ花粉やダニに対するアレルギーに悩む人が昭和30年代から一気に増えました。アレルギー急増の原因の一つと考えられているのが清潔になりすぎた生活環境です。吸血ダニなどの強力な外敵がほとんどいなくなると、IgEは本来の敵以外の物質にも過敏に反応しやすくなってしまいます。ここに敵と間違いやすい物質が入ってくるとIgEが誤作動を起こしマスト細胞が爆発してしまうのです。

 

糖尿病

食事に含まれる糖分は小腸で吸収され全身に運ばれます。この血液中の糖が増えすぎると毛細血管の壁にくっつくようになります。糖は血管の細胞にダメージを与える性質を持っています。やがて出血し固まった血液が血管を塞いでしまいます。毛細血管が足で詰まれば壊疽し、足の切断につながります。目で起きれば網膜症による失明。腎臓で起きれば腎臓病の恐れが高まります。

アフリカ・タンザニアに住むハッザの人々は糖尿病とは無縁です。お腹いっぱい食べることはなく、必要最低限の食料で生きるハッザの人々。糖尿病にかかる人はいません。

糖尿病の起源は農耕が始まったことにあります。農耕を始め飢えの心配が減って十分食べることが出来るようになった人類。ここに糖尿病の起源がありました。これに対し、人類も糖尿病を防ぐ仕組みを進化をさせてきました。血糖値が高くなると膵臓からインスリンというホルモンを分泌し血液中の糖を素早く細胞に取り込むことで血糖値を下げるのです。ところが、その後もお腹一杯食べたいという欲望は様々な技術革新を生んできました。牧畜の開始や農業技術の飛躍的向上です。そして今、私たちはインスリンの働きが追いつかなくなるほど栄養過多になりました。地球上に3億7000万人もの糖尿病患者が生まれたのです。




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