線維筋痛症 誰にも理解されない病気の苦しみ|ザ!世界仰天ニュース

東京都西葛西に住む岡田真綾さん(22歳)は、ある病と闘っています。

 

岡田真綾さんの将来の夢は音楽の先生だったため、音楽コースのある高校に進学しました。明るく活発、スポーツもこなす優等生でした。

 

そんな岡田真綾さんの身に異変が現れたのは高校1年の冬でした。左手首にちょっとした違和感があったのです。次の日になっても左手首のしびれが治らず接骨院へ。腱鞘炎だと言われ、しばらく安静にしていれば治ると言われました。

 

しかし、3ヶ月経っても痛みが治まることはなく、やがて左手だけではなく右手、肩や首にも症状が広がっていました。常に全身を襲う筋肉痛のような痛みでした。様々な病院をまわり細かい検査も受けましたが、異常は見られませんでした。

 

病状は悪化する一方で、シャワーの水やそよ風が体に触れるだけでも傷みを感じるように。また、日差しや音にまで痛みが出るように。岡田真綾さんを襲っていた痛みの原因は線維筋痛症(せんいきんつうしょう)と呼ばれるものでした。

 

線維筋痛症とは

 

線維筋痛症とは、全身に原因不明の痛みを感じ疲労感や倦怠感といった症状を伴う疾患です。現在、日本の推定患者数は約200万人。その発症年齢の多くは30~50代です。特に女性に多く、男性の5倍にも上ると言われています。

 

原因はまだ明らかになっていませんが、外部からの刺激に対し脳が誤作動を起こしていると考えられています。通常、私たちの体は痛いという刺激を受けると患部から脳へ信号が送られ、その信号を脳がキャッチすることで痛みを感じます。しかし、線維筋痛症の場合、痛みをキャッチする脳の機能が誤作動を起こし、わずかな刺激でも過剰に痛みとして認識してしまうのです。

 

さらに、通常痛みを感じた時、脳はそれを抑えるために痛みを抑制する脳内物質を放出し痛みを軽減していますが、線維筋痛症になると脳内物質も少なく痛みが抑えられなくなります。

 

線維筋痛症の重症度分類

ステージⅠ:11か所以上の痛みがあるが日常生活に重大な影響はない
ステージⅡ:指の末端部に痛みが広がり不眠・不安感・うつ状態が続く
ステージⅢ:爪や髪への刺激・温度・湿度変化など軽微な刺激で激しい痛みが全身に広がる
ステージⅣ:痛みの為に自力で身体を動かせずほとんど寝たきり状態に陥る。長時間同じ姿勢で寝たり座ったりできない
ステージⅤ:激しい全身の痛みと共に口の渇き・目の乾燥・膀胱・直腸・尿路感染など全身に障害がでる

 

岡田真綾さんが線維筋痛症という病名を知ったのは、発症してから1年後のことでした。総合内科での診察を受け、線維筋痛症だと分かったのです。薬による治療を開始しました。しかし、薬の効果には個人差があり彼女には合いませんでした。さらに、副作用による吐き気やめまいが起こりました。

 

外見上全く異常がなく病名も知られていないため、他人が痛みを理解することはできません。岡田真綾さんは、次第に人前では痛みを我慢し隠すようになりました。痛みには波があり、我慢できる時もあれば激痛で眠ることさえできないこともしばしばありました。

 

その後、ようやく自分に合う薬が見つかり少しずつ回復しました。卒業の時にはオルガンを弾けるまでになりました。高校卒業後は、音楽の道へ進みたいと専門学校へ。さらに、線維筋痛症の認知を少しでも上げるために、線維筋痛症の講演会にも出席。自分なりの活動として、病気の気持ちをつづった曲も作りました。今でも痛みと闘っている岡田真綾さんは、少しでもこの病気を理解する人が増えることを祈っています。

 

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誰にも理解されない病気の苦しみ

この記事のコメント

  1. さおり より:

    私も、今年のゴールデンウィーク初めの頃から右手が痛くなり、コップももてなくなり、次は膝に痛みが出てきて、今は全身に痛みが出てます。足の裏に痛みが出てしまうとちゃんと歩けません。
    幸い、指先だけは大丈夫なのですが頭に痛みが出てしまうと、髪の毛も洗えません。
    どうか、この病気を理解して頂きたいです。