福島祈祷師殺人事件 江藤幸子 普通の主婦が神に…|ザ!世界仰天ニュース

2012年9月27日、江藤幸子(えとうさちこ)元死刑囚の死刑が執行されました。江藤幸子は自らを祈祷師と称し、罪もない人を殺し続けました。1995年、江藤幸子の自宅で発見されたのは6体ものミイラ化した遺体でした。

1990年、福島県に住む江藤幸子(42歳)は普通の主婦でした。塗装業を営む夫とその間に生まれた子どもとの生活は平穏でしたが、夫が作業中に腰を痛め仕事が出来なくなってしまいました。その間、江藤幸子が化粧品のセールスで多少の稼ぎがあったものの生活に困るようになりました。

一方、夫の腰は良くなる気配がなく出来ることは何でも試していました。その一つが宗教団体。ここでは、手かざしという体の悪い部分を手から出るパワーで治すという行為が行われていました。夫婦そろってその力を信じ入会しました。

しかし、しばらくすると夫は幸子の元を去ってしまいました。一人になった幸子は教団を抜け、生活のため化粧品のセールスを再開しました。

そんなある日、江藤幸子は肩こりを訴える主婦に手かざしを試してみました。すると、症状が軽減したと言われたのです。ほかの人にも試してみると、症状が良くなったと喜ばれました。

その後も人の噂で江藤幸子は評判になっていき、謝礼金を渡す人まで出てきました。

江藤幸子は自分には特別な力があると思い込むようになり、自らを祈祷師と称し治療まがいの行為を始めました。その行為は次第にエスカレート。ついには「きつねの霊がついてる、すぐに除霊しないと」と病気の原因を霊などと言い出したのです。

そんなとき知り合った高血圧で悩む主婦に、江藤幸子は手かざしを行いました。すると数日後、主婦は夫を連れてきました。夫は持病があるわけではありませんでしたが幸子の話を聞いて不思議な力を信じてしまいました。さらに、主婦は同じ高血圧症に悩む姉を幸子のもとに連れていきました。姉も体調がよくなり、その家族を連れて幸子の元へ。姉の夫は糖尿病がよくなったと2つの家族が幸子のもとへ通うようになりました。

幸子の教えは、薬は毒、獣の霊が悪い症状を起こし、神様を信じることでしか病気を治すことは出来ないというもの。このとんでもない教えをなぜかみんな信じ込んでしまったのです。町を歩けば先生と慕われ、幸子は尊敬されることに快感をおぼえるようになりました。

共同生活

江藤幸子は、主婦の家族とその姉の家族に自分の家に住み込むよう勧めました。2つの家族は翌月には住み込み始め、幸子の家での不思議な共同生活が始まったのです。

共に高血圧症に悩む姉妹は家事を手伝い、妹の夫は幸子の家から仕事へ。姉の夫は教えを広める活動を始め、相談者たちからお布施を集めました。

しばらくすると、江藤幸子は金の融通を頼むように。そして自らのことを「幸子様」と呼ばせ神のようにあがめさせました。当初、この奇妙な共同生活はうまくいっているように見えました。

若い男に夢中に

姉夫婦の娘は、学校の友達を幸子のもとへ連れてきました。その子が自分の彼氏を幸子の家へ連れてきました。家に来た男を見た幸子は、若く礼儀正しい姿に一目惚れ。もともと宗教的な話に関心のなかった男でしたが、幸子に特別優しくされ頻繁に訪れるようになりました。

男に夢中の幸子は、男の心をつかむため「彼は魂がきれいで私と同じ神様だ」と言い出しました。しかし、姉の夫は入ってきたばかりの男の特別扱いをよく思いませんでした。

若い男を絶対に手放したくない江藤幸子は、男の恋人に別れるように諭しました。別れたくないという女の子に対し、狐の霊がついていると言い、太鼓のばちで女の子をたたきました。暴力を受けながらも女の子は狐の除霊という幸子の言葉を信じ続けました。除霊は連日続き、それでも除霊が完了しないことを疑問に感じた女の子は幸子の元を去っていきました。

彼女がいなくなり江藤幸子はますます男に夢中になりました。

暴力行為

そんな時、男といちゃついているのを実の娘に見られ罵られました。失態をさらした幸子は高血圧症の妹が呼び込んだ狐の霊のせいだと言い出し、妹にも暴力をふるうようになりました。

幸子はこの行為を「御用」と呼び、正式な除霊行為としました。さらに、この暴力行為をみんなにもやらせたのです。

標的となった者は一日中正座させられ睡眠を制限され食事は1日1回、水はほとんど与えられずトイレは我慢できる限界まで禁じられました。妹への御用は1ヶ月以上続き、ついに死んでしまいました。

しかし、幸子は「まだ死んでない、また起き上がる」と言い、死体を布団の上に寝かせ放置。また同じ頃、姉の夫も御用により死亡。2人の死因は挫滅症候群でした。

江藤幸子は、姉夫婦の娘が男をドライブに誘っているを目撃し御用に。また自分が帰宅したのに挨拶しなかった姉も御用に。これにより、姉と姉夫婦の娘が死亡しました。

そして、幸子の評判を聞きつけてきた、子どものぜんそくに悩む家族と花粉症に悩む女性が共同生活に加わりました。

しかし、すぐに若くて綺麗な女性に嫉妬した幸子は御用を行いました。花粉症の女性とぜんそくの子を持つ父親が御用によって亡くなりました。わずか4ヶ月の間に6人もの人が死亡したのです。

事件発覚

共同生活から8ヵ月後、ぜんそくの女性の親族が幸子の家に乗り込んだことがきっかけになり事件が明るみにでました。警察が踏み込み6人の遺体を発見。

幸子に愛された男と幸子の娘は無期懲役に。最初に亡くなった妹の夫は懲役18年になりました。江藤幸子は2012年9月27日に死刑が執行されました。

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