ゲイリー・リッジウェイは、1949年にユタ州に生まれました。幼い頃から物静かな少年で、そんな彼に母はいつも厳しかったと言います。
勉強もあまり得意ではなかった彼に対し威圧的な母。何をしても叱られるという思いが少年の心を追い詰め、13歳を過ぎてもおねしょが治りませんでした。
そんなゲイリー・リッジウェイも大人になると恋愛をして結婚をしました。しかし、妻は彼の友人と不倫。幸せは一瞬にして崩れてしまいました。
再婚 そして離婚
絶望感に襲わたゲイリー・リッジウェイですが、また別の女性と出会うことができました。結婚し子供にも恵まれました。しかし、なぜか最初の結婚ほど満たされなかったと言います。
その不安を振り切るように子供を溺愛したものの、違和感を解消できず離婚。最愛の息子は妻が連れて行ってしまいました。
やがて心の寂しさをうめるため歓楽街へ。ここでは金さえ出せば女性はいくらでも寄ってきました。
ゲイリー・リッジウェイは、車の塗装の仕事をしていました。勤務態度はいたって真面目で仲間ともうまくやっていました。
最初の殺人
そんなある日、ゲイリー・リッジウェイの運命が変わりました。
その日もゲイリー・リッジウェイは歓楽街で女性と出会い家へ。女性は明るく会話も弾みました。
しかし「もう少し一緒にいたい」と言うと女性に拒否されました。その瞬間「女はいつも自分を見下している」と感じ女性を殺害。女性の遺体は一週間後に発見されました。
連続殺人グリーンリバーキラー
事件から1ヵ月後の1982年8月12日、またしてもグリーンリバーで女性の全裸遺体が発見されました。さらに3日後にも、グリーンリバーで女性の全裸遺体が3体も発見されました。
警察はこれらの一連の事件に関する特殊部隊を結成。メディアは正体の分からない犯人を「グリーンリバーキラー」と呼びました。
かつての殺人犯は遺体を隠したり埋めたり犯行の発覚を恐れましたが、なぜか男は遺体を川の周りに放置しただけでした。
実は最初の殺人をした時、ゲイリー・リッジウェイは遺体を見て「これで僕のものだ」という感情に支配されたと言います。この感覚が忘れられず、まるでコレクションするように殺人をし遺体を集めたのです。
目撃者
最初の事件から9ヵ月後の1983年4月30日、ゲイリー・リッジウェイは18歳のマリー・マルヴァーに声を掛けました。しかし、その様子を見ていた人物がいました。この目撃を最後にマリーは姿を消しました。
乗っていた車からゲイリー・リッジウェイの名前が捜査線上に浮上。しかし、目撃男性が「車を運転していたのは白人ではない」と思い違いをしていたため、警察はゲイリー・リッジウェイを捜査線上から外してしまいました。
その後、ゲイリー・リッジウェイは用心深く犯行を重ねました。目撃者を出さないため複数でいる女性には声をかけず、遠くから金をちらつかせ女性が近づいてくるのを待ちました。
ゲイリー・リッジウェイは捕まることなく事件から1年半が経過。ここまでに発見された被害者は25人を超えていました。
テッド・バンディからの手紙
そんな頃、捜査チームに刑務所にいる連続殺人鬼テッド・バンディから手紙が届きました。
犯人は遺棄した場所に戻って来ます。遺体の状態を確かめるために。新しい遺体を見つけたら、そこで張り込むことです。きっと犯人を捕まえられます。犯人は穏やかで優しい普通の男でしょう。用意周到で用心深く女性を選んでいるのだと思います。きっと犯人から逃げ切った女性がいるはずですよ。
このテッド・バンディの言葉はすぐに現実のものとなりました。
逃げ切った女性
21歳のレベッカ・ガーデーは、街で知り合った男に森へ連れられ首を絞められたものの逃げたと言います。彼女が容疑者リストから指差したのはゲイリー・リッジウェイでした。
こうしてゲイリー・リッジウェイの事情聴取が行われました。警察はその後も彼の身辺を捜査しましたが、犯行に繋がる証拠を見つけることはできませんでした。
事件発生から5年が経ちました。ゲイリー・リッジウェイは、犯行を続ける一方で離れて暮らす息子と定期的に会っていました。
DNA鑑定
1987年にDNA鑑定が導入されました。一連の被害者3人から犯人の体液が発見されていました。ゲイリー・リッジウェイを含めた疑いのある人物のサンプルが採取されたものの、DNAが一致する者はいませんでした。
当時は検出したDNAの型を目視で判別するしかなく、今ほど精度が高くありませんでした。ゲイリー・リッジウェイは、たまたま鑑定をすり抜けたのです。
3度目の結婚
こうして警察の手から逃れたゲイリー・リッジウェイは、新たな愛を見つけ3度目の結婚をしました。妻と暮らしていた間にも、少なくとも4人の殺害を行っていました。
逮捕
最初の事件から19年後の2001年11月30日、ようやく事件は終わりを迎えました。ごく微量のDNAを短時間で大量に複製し増やす技術が開発されたのです。
こうして改めて犯人のDNAサンプルを増幅させ鑑定を行った結果、ゲイリー・リッジウェイのDNAと一致し逮捕となりました。
16年間連れ添った3人目の妻は、ゲイリー・リッジウェイの犯行を全く知らなかったと言います。
最初は容疑を否認していたゲイリー・リッジウェイも死刑を免れる代わりに罪を認め、未解決の事例に対し捜査協力するという取引を行いました。
判決
2003年12月18日、ゲイリー・リッジウェイには仮釈放なしの48回の終身刑の判決が下されました。
さらに7年後の2010年、新たに女性の白骨化した頭部が発見されゲイリーの犯行が認められ有罪が確定。彼の終身刑は49回分となりました。
実際には70人以上の女性たちを殺めたと証言したゲイリー・リッジウェイ。いまだ行方不明の女性たちがグリーンリバーの周りで眠っているのかもしれません。
「ザ!世界仰天ニュース」
グリーンリバーキラーの真実
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