人々は、塩沼亮潤(しおぬまりょうじゅん)さんのことを大阿闍梨(だいあじゃり)と呼びます。それは日本に数人しかいない僧侶の模範となる人をさし、ある荒行を成し遂げた者にのみ与えられる称号です。その荒行とは、千日回峰行(せんにちかいほうぎょう)です。
塩沼亮潤さんは23歳の時に千日回峰行に挑み、31歳の時に見事満行。1300年の歴史で2人目という快挙を果たしました。しかし、塩沼亮潤さんの修行はこれで終わりませんでした。
千日回峰行の翌年、今度は四無行(しむぎょう)と呼ばれる9日間断食、断水、不眠、不臥の荒行に挑みました。四無行は途中で命を落とすことさえあると言いますが、塩沼亮潤さんは見事満行しました。
千日回峰行
千日回峰行は約1300年前、奈良時代に作られた修行で、金峯山寺から標高差1300mもある頂上を歩いて目指し、そこから再び金峯山寺に戻る往復48km、16時間にも及ぶ過酷な行です。
これを山開きされている5月3日~9月3日までの約120日間休むことなく毎日行います。9年の歳月をかけ、計1000日間歩き続けるという日本一の荒行。
その過酷さゆえ、選ばれた者だけが挑戦できる究極の修行で、その行程は常人の理解を超えます。
千日回峰行の1日の流れ
起床は23時25分。そこから滝に入り身を清め装束を整えて深夜0時半に出発します。真っ暗闇の山道を提灯の明かりだけで歩き始めるのです。
険しい山道を一人で歩き続けること8時間、山頂にある大峯山寺に朝8時半に到着します。参拝をし一汁一菜の食事を食べます。そして滞在時間45分で下山を始めます。
7時間、山道を歩き午後3時半に金峯山寺に戻ります。
到着後、師匠に挨拶をすませると休む間もなく装束の洗濯や寺の掃除、その日えた悟りの内容を日記に記し、夜7時頃床に就きます。
そして4~5時間の睡眠をへて次の日の修行が幕を開けます。
四無行
四無行は9日間、食わず・飲まず・寝ず・横にならずを貫く人間の限界を超えた荒行です。
塩沼亮潤さんは、千日回峰行を終えた翌年の2000年9月28日、四無行に入行しました。四無行は9日間耐え忍ぶだけでは終わりません。1日3回、本尊の前で決められたお勤めを1時間行わなければならないのです。
さらに、毎朝午前2時に仏さまに供える水を井戸まで汲みにいかなければならないのです。当然、日数の経過と共に体力は落ちていき、3日もすると死臭が漂っていたと言います。
2000年10月5日、塩沼亮潤さんは四無行を満行しました。
「クレイジージャーニー」
この記事のコメント
神様以上だ〜〜❣️信じられないけども、ものすごいしか、言えない‼️