昔話の内容がどんどん変化している件|月曜から夜ふかし

昔話とは「昔々あるところに・・・」などの語り口調で伝えられる古代の物語。様々な教訓がこめられた昔話は時代を超えて受け継がれるものと思いきや、実は近年その内容が変化しているのです。

 

桃太郎

例えば「桃太郎」は、桃から生まれた男の子がたくましく成長し犬、猿、きじを家来にし鬼が島に鬼退治に行くというストーリーです。しかし今、桃太郎のストーリーが変化してきています。

 

約30年前の「桃太郎」ではこう書かれていました。

ももたろうが きびだんごを あげると、犬は よろこんで ももたろうの けらいに なりました。

桃太郎にとって犬、さる、キジは家来で、きびだんごという食べ物欲しさにその主従関係を結びました。

 

しかし、今発行されている「桃太郎」にはこう書かれています。

さるもやってきました。「ぼくもいくよ。」「本当かい?じゃあ、力がつくきびだんごをあげるよ。なかまがふえてうれしいなあ。」

現代の桃太郎には家来などという上下関係は存在しません。フラットで風通しの良いベンチャースタイルなのです。しかも、きびだんごにつられた訳ではなく、あくまでも自発的に鬼退治を決意。きびだんごは栄養補給のアイテムでしかないのです。

 

しかし、鬼が島へと舟で向かうシーンの絵では対等の関係であるはずなのに、桃太郎が犬と猿に舟をこぐという最もキツイ仕事をやらせています。しかし文章にはこう書かれています。

いぬとさると ももたろうが こうたいで こいだので、小ぶねは ぐんぐん すすみます。

現代の桃太郎では、獣たちだけが超過勤務にならないようローテーションで舟を漕いでいるのです。ちなみに、キジは自力で飛べるので漕ぐ義務はありません。

 

さらに、桃太郎一行が鬼に総攻撃をしかけるシーンで、キジは問答無用で目をつつくのが必殺技でした。しかし、現代の桃太郎では目をつつくと失明の恐れがあるので攻撃は手にとどめています。また、鬼を打ち破り宝物をゲットするシーンは現代の桃太郎ではこう書かれています。

ももたろうたちは たからを もちかえると、一つずつ もちぬしの ところへ かえしました。

いくら鬼を退治しても宝物をネコババすると横領罪にあたるため、きちんと持ち主のもとへ返しに行っているのです。

 

このように変化しているのは桃太郎だけではありません。「猿蟹合戦」は合戦という響きが穏やかではないので、「さるかにばなし」とマイルドな題名になっています。

 

赤ずきんちゃん

「赤ずきんちゃん」は、赤ずきんちゃんとおばあさんがオオカミに食べられ寝ているところに猟師がやってきてお腹を切り開き、2人を助けるかわりに石を大量に詰め井戸に落としてしまうというエンディングでした。しかし、現代の「赤ずきんちゃん」ではオオカミはおばあさんを食べずクローゼットに監禁。それでも赤ずきんちゃんを食べようとするのですが、軽くかわされてやる気をなくし退散するという何の盛り上がりもない展開になっています。

 

だたし、私たちが知っている昔話も本来の話よりかなりマイルドになったものです。桃太郎の場合、そもそも桃から生まれているわけではありません。江戸時代に発行された「桃太郎」の絵本によると…

ある日おばあさんが川で流れてくる桃を発見。それをおじいさんと2人で食べたところ2人が若返り、性欲もぐんぐん回復。せっせと励んだ末生まれたのが桃太郎。

しかし、明治時代に入り、この話を子供に聞かせられないと現在に通じる桃から生まれるスタイルになったのです。

 

浦島太郎もそうです。平安時代に書かれた浦島太郎「続浦嶋子伝」によると、助けたカメに乗って竜宮城に行くところまでは似ていますが、宴会など浦島太郎と乙姫様はイケナイ関係になっているのです。

 

カチカチ山

「カチカチ山」はおじいさんがイタズラだぬきを捕獲したところ、たぬきが口八丁でおばあさんに縄をほどかせおばあさんを殴って逃走。それを聞いたウサギが激怒したぬきをあの手この手でこらしめるというストーリーです。

 

しかし、本来のカチカチ山はこんなぬるいものではなかったのです。つかまえた狸の縄をおばあさんがほどくところまでは一緒なのですが、縄をほどかれたタヌキは豹変しおばあさんを鈍器で撲殺。さらに殺害したおばあさんの肉で「ばばあ汁」を作ってしまうのです。

 

また、殺害したおばあさんの皮をかぶっておばあさんに成りすまし、帰宅したおじいさんに「たぬき汁」と称して「ばばあ汁」を食べさせるのです。おじいさんが「ばばあ汁」を食べているところで、たぬきは皮を脱ぎ捨て種明かし。おじいさんは想像を絶するショックを与えられるのです。

 

「月曜から夜ふかし」
昔話の内容がどんどん変化している件



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