世界保健機関のデータなどをもとに2013年に作成された全世界で人間を殺した数が多い生物ランキングによると、第1位は蚊。その数72万5000人。
中でも中央アフリカに生息するハマダラカは、人間にマラリアを媒介し死に至らしめる殺人種。72万5000人中、約62万人がハマダラカの犠牲になりました。
現在日本では蚊に刺されて死亡するケースはほぼありませんが、かゆい思いをさせられる人類の天敵です。
蚊の生態
現在、日本には100種類以上の蚊が生息しており、中でもヒトスジシマカとアカイエカが2大勢力となっています。両者の違いはいろいろありますが、主にヒトスジシマカは昼間に活動し、アカイエカは夜型です。
彼らの一生は気温20℃を超える春先に始まります。卵から約3日間で幼虫になり、約1~2週間で蛹に。約3日で成虫になります。成虫の寿命は約1ヶ月。つまり50日程度のサイクルで世代交代を繰り返し親・子・孫と襲ってくるのです。
なぜ蚊に刺されるとかゆくなるのか?
蚊はアゴから血が固まらない特殊な唾液を出します。この唾液が人間の体でアレルギー反応を起こして腫れ上がりかゆみが出るのです。吸う血の量は多いときで自身の体重2mgの2倍。お腹いっぱいになるまで約2分かかります。
もしも、そのさいに人間の邪魔が入ると蚊は途中でアゴを抜き一時中断。しかし、お腹が満たされるまでは何度でも刺してきます。ちなみに刺されると最もかゆい場所は指です。指は他の部分よりも皮膚や筋肉が薄く腫れやすいからです。この腫れが周りの神経を刺激しかゆみを増幅するのです。
蚊に刺されやすい人
汗っかき
蚊は汗に反応しますが、特に汗の中に含まれる乳酸の香りに反応します。
体温が高い人
蚊は温度にも反応しますが、34~37℃の範囲の体温を感じると言われています。その中でも体温の高い人が狙われやすいそうです。
肥満
肥満の人は表面積が大きいため蚊に刺されやすくなります。
蚊の対策方法
定番は殺虫剤。市場規模は1000億円超え。
殺虫剤や蚊取線香を使いたくない人におすすめなのが扇風機。蚊は軽いため簡単に風に飛ばされます。扇風機を常に体に当てていると蚊は体に止まることができないのです。
蚊に刺された時の対処法
かゆみを抑えるためには冷やすのが得策です。人間は冷気に対する感覚が最も鋭いため、かゆみを感じづらくなり皮膚も傷つけなくてすむのです。もちろん痒み止めがある場合はそれを塗るのが一番です。
なぜ血を吸うのか?
蚊はエサとして血を吸っているわけではありません。子孫を残すために血を必要としているのです。つまり血を吸うのはメスの蚊だけ。本来蚊は植物の蜜や果汁を食す生き物。しかし、交尾を終えたメスだけは卵巣を発達させるため動物の血が必要なのです。
メスは人間に潰されるかもしれない恐怖の中、命がけでわが子のために立ち向かっているのです。刺されて腹が立った時は、そんな蚊の宿命を思えば少しは許せるかもしれません。
「月曜から夜ふかし」
蚊について調査してみた件
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