ロズウェル事件・前編|幻解!超常ファイル

NHK総合テレビの「幻解!超常ファイル ダークサイド・ミステリー」でアメリカUFO神話(2)ロズウェル事件・前編が放送されました。始まりは1947年、実業家ケネス・アーノルドが謎の飛行物体を目撃。新聞で「フライング・ソーサー(空飛ぶ円盤)」というユニークな名前が付けられ全米各地で目撃情報が大量発生。アメリカの世論は当初、東西冷戦という時代背景を反映して極秘開発中の新兵器ではという予想が多かったのですが、作家のドナルド・キーホーが「空飛ぶ円盤は宇宙から来ている」と主張し話題を呼びました。さらに1952年、首都ワシントンDCで謎の飛行物体が多数レーダーに捉えられる事件が発生。空軍は「特殊な自然現象が原因」と発表しましたが、かえって軍は事実を隠しているという疑惑が深まってしまいました。

 

1952年9月12日、ウエストバージニア州フラットウッズで明るく光る奇妙な物体が空を飛ぶのを少年たちが目撃。謎の物体は近くの丘へ落ちていったと言います。話を聞いた少年たちの母キャスリーン・メイは少年ら6人と共に物体が墜落した現場へ。近づくと辺りには霧のようなものが立ち込め、目と鼻を刺激する異臭が漂っていました。木立の奥には赤い光を波立たせる何者かの姿が。それは身長3mもあるロボットのような巨大モンスターだったと言います。

 

他にも銃弾を受けても平気な不死身の宇宙人や全身アルミホイルのような銀色の宇宙人など民間人を驚かせる目撃事例が相次ぎました。しかし、宇宙人実在が社会的に認められるような物的証拠は何一つ残りませんでした。1950年代に目撃された宇宙人の特徴は怪物のような姿で少人数を襲う映画やドラマの影響が疑われるものがほとんど。1960年代に登場するのがヒル夫妻事件を代表とする宇宙人による誘拐アブダクション。詳しくは>>私は宇宙人に誘拐された!?エイリアン・アブダクション|幻解!超常ファイル

 

1977年、映画「未知との遭遇」が公開されました。人類と宇宙人が最初の対面を実現するまでの物語です。映画では政府が秘密主義を貫き、全てを国民から隠れて行うという陰謀めいた描写がなされました。そして1979年、人々に大きな衝撃を与えるテレビドキュメンタリーが放送されました。番組では元陸軍航空隊少佐のジェシー・マーセルが「1947年、墜落した空飛ぶ円盤の破片を軍が回収した」と証言。マーセルの証言が事実ならアメリカ政府は空飛ぶ円盤の物的証拠を30年以上隠し持っているということになります。これがUFO神話最大の陰謀、通称ロズウェル疑惑の始まりでした。では、マーセルが証言した1947年に一体何が起きていたのでしょうか?

 

1947年7月2日、ニューメキシコ州のロズウェルで夜9時50分頃、街中に住む夫婦が夕涼みをしていると皿を2つ合わせたような光る物体が南東から北西へと飛んでいったのだと言います。そしてロズウェルの北西160kmにある牧場主マック・ブレーゼルは牧場で謎の破片が散乱しているのを発見。7月6日、謎の破片の情報はロズウェル陸軍飛行場に入りました。連絡を受けたのはジェシー・マーセル少佐。マーセルは現場に急行し謎の破片を回収。ロズウェル陸軍飛行場に持ち帰り調査を行いました。それはどんなに力を入れても曲がらないマーセルの理解を超えた物質だったと言います。7月8日、地元のラジオニュースが「軍は空飛ぶ円盤の謎を解き明かす物的証拠を入手した」と放送。そして謎の破片はロズウェル陸軍飛行場からフォートワース基地へと移送され軍の上層部へと渡されました。ところが軍が改めて出した公式見解は「正体は気象観測用の気球。残骸はアルミホイルの塊、壊れた角材、ゴム製の気球だった」というものでした。この発表で世間の騒ぎは沈静化。事件は単なる誤報として忘れ去られていきました。

 

しかし32年の時を経てマーセルが行った証言は「軍が空飛ぶ円盤の物的証拠を隠し続けている」という疑惑を浮上させました。そしてこのマーセルの証言を引き金として新たな証言者が次々に登場。その中の一人バーニー・バーネットは「軍が回収したのは円盤の破片だけではなく、もっと衝撃的なものを手に入れたはず」だと主張。ロズウェルの西300kmのサンアグスティン平原でバーネットは墜落したと思われる空飛ぶ円盤を発見したというのです。そして円盤の中にも外にも死体が転がっていたと言います。そこへ軍のトラックがやってきて円盤の残骸と宇宙人を回収するとバーネットに即刻立ち去るように命じたそう。そして「沈黙こそが愛国的な義務である」と言われたそうです。またグレン・デニスは陸軍病院に勤める看護師ナオミから病院に運びこまれた宇宙人の死体について話を聞いたと言います。1980年代後半以降、ロズウェル事件は雑誌やテレビ、映画で盛んに取り上げられ巨大な陰謀疑惑へと膨らんでいきました。