シーラカンス ”生きた化石”を追え!|地球ドラマチック

NHK・Eテレの「地球ドラマチック」でシーラカンス ”生きた化石”を追え!が放送されました。

 

海から陸へ!生物の進化

シーラカンスは、100年以上にわたって研究者たちを虜にしてきました。初めて海を離れ陸に進出した生物の仲間だと考えられているからです。この重大な進化が後に人類の登場へと繋がりました。しかし、シーラカンスは6500万年前に恐竜と共に絶滅したと考えられてきました。

 

5億年前、一部の生物には脊椎がありました。脊椎動物は他の生物より強く、どんどん進化し新たな場所に進出していきました。そして3億8000万年前、水中で進化を続けて今日の魚になるグループとは別に陸に上がり両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類へと進化するグループが現れました。シーラカンスの仲間は、この進化の分岐が起こった頃に生息していました。

 

シーラカンスは、20世紀の動物学における大発見です。存在自体は化石によって19世紀から知られていました。そして、胸びれと腹びれの根本に一般の魚には見られない骨があることから、シーラカンスは水中生物から陸上生物への過渡的な形態であり、陸上の脊椎動物と深い繋がりがあると考えられていました。しかし、化石の状態でしか見つからなかったため20世紀初めまで恐竜と共に絶滅したと思われていました。

 

1938年、南アフリカでシーラカンスが漁師の網にかかりました。古生物学者たちはシーラカンスに原始的な肺があることを発見。脊椎動物が海から陸地へと進出した要因を確認したのです。さらに、1950年代になると、シーラカンスの捕獲数が増え、その形態や構造に関する理解が進みました。

 

現在のシーラカンスの祖先は、陸地には進出せずに海にとどまり深い海に適用してきました。そのため、肺は退化しています。しかし、見た目は3億8000万年前からほとんど変わっていません。

 

潜水調査の最前線

人が初めて海の中でシーラカンスに遭遇したのは、2000年のことでした。そして2010年には、水深120メートルで撮影されたシーラカンスの見事な写真が公開されました。撮影したのは、生物学者で写真家のローラン・バレスタ。ディープダイビングが可能にした偉業です。

 

バレスタは、さらに野心的な調査に挑もうとしています。まず、シーラカンスからDNAサンプルをとり、特注のスローモーション3Dカメラで謎めいたヒレの動きを撮影します。そして、行動パターンを調べるためにシーラカンスに記録用のタグをつけることを目指します。シーラカンスのヒレは人間の足と腕の起源なのです。

 

隠れがを探せ!

科学者たちは10年以上にわたって、南アフリカのソドワナ湾の海底に遠隔操作ロボットを送り込みシーラカンスを探してきました。シーラカンスが特に好むのは海中の洞穴です。それは、海面が今より約120メートル低かった2万年前にできたものです。

 

洞穴は広大な海底谷にあり、他にもシーラカンスの隠れがとなるような場所が何百とあります。そのため、シーラカンスを探し出すのは至難の技です。

 

シーラカンスは、ソドワナ湾の他にもマダガスカル島周辺の島々やインドネシアでも確認されていますが、いずれも水深は300~400メートル。その深さでは人間が潜って観察することはできません。しかし、ソドワナ湾のシーラカンスは水深120メートル辺りに生息しています。シーラカンスと人間が出会うための条件がそろっているのです。

 

潜水調査で謎を解明

南アフリカでの6週間にわたる潜水調査が終わりました。今回得られたデータの分析を終えるには何年もの時間がかかるでしょう。シーラカンスに出会えたことで、研究の可能性は大きく広がります。

 

今回撮影された画像をもとに、シーラカンスの泳ぎ方をシミュレーションするプログラムを作ることができます。また、ウロコで覆われたヒレの下の骨格がどのように動くかも見られるようになります。シーラカンスのヒレがなぜ同時に動くのか、その複雑なメカニズムが明らかになることでしょう。

 

さらに、研究者たちはダイバーたちが取り付けた記録用のタグに大いに期待を寄せています。タグのデータからシーラカンスの動きや行動パターンを解明できるかもしれないからです。

 

DIVING WITH THE COELACANTH
(フランス 2013年)



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