理想の出会いを確率で!ドレイクの方程式|頭がしびれるテレビ

1708年にフランスの数学者ピエール・モンモールによって提起された「モンモールの出会いの問題」は、トランプを赤と黒に分け、それを2人が同時に1枚ずつめくっていった時に同じ数字が1度も出ない確率です。

モンモールは、答えを出せないままこの世を去りました。

モンモールの出会いの確率を解いたのは、スイスの数学者レオンハルト・オイラーです。出会いが起こらない確率は1/eつまり1÷2.7182812845...=0.36787...、約37%となります。

レオンハルト・オイラー

これによって、この反対の現象、少なくとも1度は出会いが起こる確率63%と導き出されました。カードは5枚を超えるとほぼ63%になります。

このモンモールの出会いの問題を、男女の出会いに置き換えて考えてみます。カードの数字が同じなら相性や好みが合う相手だとします。5人以上の異性と出会えば、相性や好みが合う人と会う確率63%ということになります。

ドレイクの方程式

理想の出会いの確率を導き出せるのがドレイクの方程式です。ドレイクの方程式は、そもそもは銀河系に通信可能な文明を持つ惑星がいくつあるかを計算するための方程式です。

1960年、世界で初めて電波を使い地球外生命体の探査を行ったアメリカの天文学者フランク・ドレイク博士。

ドレイクの方程式N=R×fp×ne×f1×fi×fc×L

R:1年間に誕生する恒星の数(10)
fp:その恒星が惑星をもつ確率(0.5)
ne:その恒星がもつ生命存続に適した惑星の数(2)
f1:その惑星に生命が誕生する確率(1)
fi:その生命が知的生命体まで進化する確率(0.01)
fc:その知的生命体が惑星間通信を行う確率(0.01)
L:その文明の存続する年数(10000)

この計算から、ドレイク博士は通信可能な文明を持つ惑星の数は10個であると推定しました。

理想の彼女に出会う確率

このドレイクの方程式をもっと身近なロマンの探求に応用したのが、ピーター・バッカスです。彼がドレイクの方程式から導き出したのは、理想の彼女に出会う確率です。

今から4年前、イギリスの大学で経済学の助手をつとめていたピーター・バッカスは彼女いない歴3年で、なぜ自分には彼女ができないのか悩んでいました。理想の彼女との出会いを求めていた彼は、得意の数学を使ってその確率を探ろうとしました。

彼はドレイクの方程式を使って、イギリスで理想の条件を全て満たす女性が何人存在しているかを計算したのです。この研究成果を論文にまとめて発表。タイトルは「僕に彼女がいない理由」です。このユニークな論文は世界中で話題となりました。

理想の彼女の人数G=N×fw×fL×fA×fU×fB

N:イギリスの総人口(6,0975,000)
fw:イギリスの人口に占める女性の割合(0.51)
fL:そのうちロンドンに住んでいる割合(0.13)
fA:そのうち24歳から34歳までの割合(0.2)
fU:そのうち大学卒業の割合(0.26)
fB:そのうち容姿が好みな割合(0.05)

計算したところ、イギリス人女性約3000万人の中に10510人の理想の彼女が存在することが分かりました。

彼の計算はここで終わらず、この数字に相手が自分を魅力的だと感じる確率(0.05)、未婚の確率(0.5)、自分と性格が合う確率(0.1)まで掛け合わせました。

すると、理想の彼女は26人となったのです。さらに、ある晩ロンドンで26人のうち1人に出会う確率を求めると0.0000034%という結果に。この数字にピーターは、励みにもならないと落胆したといいます。

26人のうちの1人に出会った

ピーターが論文を発表してから4年、現在はスペインのバルセロナ大学で経済学の助教授の職に就いています。

ピーターは論文を発表してから2年後、26人のうちの1人に出会っていました。ピーターの彼女ローズ・ロングハーストは全ての条件を満たしています。友人の紹介で出会ったと言います。

2人は来年の5月に結婚するそうです。

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