2009年、イギリスで植物に家が乗っ取られるというとんでもないニュースが報じられました。被害者となったのはスーとマシューの夫婦。結婚した2人は4LDKの一軒家を購入。子供も2人生まれ幸せでした。
ところが、庭のフェンスや玄関のコンクリートから雑草が生えるようになり、ついに家の中にまで雑草が生えてきました。壁を突き破って生えていたのです。植物の専門家に調査を依頼すると、雑草はイタドリという植物であることが判明しました。
取り除くには家を解体するしかないと言われました。
イタドリは繁殖能力が他の植物とは桁違いなのです。風によって散布された種子が春に芽吹き、あっという間に横7メートル、深さ2メートルまで地下茎を伸ばします。伸びた地下茎の節々からも芽を出し、成長は広範囲に及びます。茎の太さは最大5センチにもなり、驚異的な生命力を持つイタドリはコンクリートや壁の割れ目からも植生するのです。
1日に10センチ近くも伸びるほど成長スピードが速く、放っておくと高さ3mを超えるまでになります。地上に生えてくる部分をいくら抜いても残った根からは何度も生えてきます。そのため、完全に除去するには土を全て掘り起こしキレイな土を入れなおすしか手はないのです。
植物に家をのっとられた夫婦のニュースは世界中に衝撃を与えました。現在も2人はイタドリに乗っ取られた家に住んでいます。引っ越すお金もなく途方にくれているそうです。
実は近年、イギリスではイタドリに家を奪われる人が急増しています。年間およそ200億円もの被害を出す社会問題となっています。
日本では何の問題もないイタドリがイギリスで猛威をふるう理由は、イタドリマダラキジラミという虫にありました。イタドリマダラキジラミは、イタドリの汁を吸うことで成長を遅らせることができます。
日本にはイタドリマダラキジラミをはじめとする100種類以上の天敵が存在しますが、イギリスにはそれがいなかったのです。これがイタドリの異常繁殖の原因となったのです。
2010年3月、事態を重くみたイギリス政府はイタドリマダラキジラミの輸入を決定しました。
「ザ!世界仰天ニュース」
植物に家を乗っ取られた家族
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