いじめ後遺症|あさイチ

NHK総合テレビの「あさイチ」で知ってほしい!いじめ後遺症が放送されました。いじめられっ子たちはその後の人生に深い傷跡を残す可能性があることが分かってきました。いじめられっ子のその後を40年に渡って調べたイギリスの研究があります。子供の頃頻繁にいじめを受けていた人は、そうでない人に比べうつ病や不安障害のなりやすさがかなり高くなることが分かったのです。子供の頃にいじめられると大人になってからの社会生活に影響を及ぼす「いじめ後遺症」の問題が明らかになってきました。

 

あさイチに届いた声

あれからずっと自信がないままこの年齢になってしまいました。「汚い」「バイ菌」と言われ続けていたので自分の体臭が異常なほど気になっています。(東京都 47歳女性)

男子から容姿について毎日罵声を浴びていたので今でも全く近づくことができない。パニック障害になりひきこもり生活を送っている。(静岡県 40歳女性)

今でも自分に自信が持てず私の行動や存在が人に迷惑をかけている気がして怖いです。気持ちが不安定で精神科に通っています。(福島県 37歳女性)

私は30年前のいじめが原因でうつ病、パニック障害、不安神経症と診断されました。自分自身がコントロールできず、ひどい時にはあちこちに当たり散らしたり、大声で叫んだり、急に泣きだしたりしたことがありました。こんな状態になることを知ってほしい。(栃木県 43歳女性)

自尊心が低い。自信が常にない。だから人にいつも偉そうに言われる。人づきあいが下手。離婚もしたし、うつにもなった。どこにも居場所がない。(京都府 51歳女性)

自分に自信が持てずパニック障害になった。我が子がいじめられているのに、当時の記憶がよみがえり、きぜんとした対応ができない。感情的になってしまう。(神奈川県 51歳女性)

アンケートではいじめられた経験のある人の6割が過去のいじめ被害のつらさを訴えていました。

 

いじめ後遺症とは

・いじめの苦しみが大人になっても続き日常生活に支障をきたす
・うつ病、対人恐怖症、摂食障害など精神疾患を発症することもある

 

いじめられた経験…その後

39歳のエミさん(仮名)は病院で事務員として働いていますが、ほぼ1年中マスクは手放せません。エミさんが顔を隠すようになったきっかけは中学時代に受けたイジメでした。エミさんは男子生徒から度重なる言葉のいじめを受けていました。ある時は後ろの席から紙が飛んできました。書かれていたのは「顔面凶器」という言葉。それだけではありません。学校に来ると机いっぱいにその言葉が書いてあることも。エミさんは平静を装おうとその言葉を教科書で隠しました。そして周囲に人がいなくなると必死で消そうとしました。その言葉は今でも心に深く刺さっていると言います。執拗ないじめを受けるうち、次第に自分は価値のない人間だと感じるようになっていきました。それ以来、エミさんはできるだけ目立たないようひっそりと暮らしてきました。そんなエミさんの手には傷があります。吐きだこです。少しでも顔や体を小さく見せようとして毎日吐いていると言います。日々の買い物もつらいことの一つです。今も地元で暮らしているため、いじめられていた自分を知る人に会う可能性があるのです。街を出たいと考えていますが両親の介護があるため出られません。今、エミさんはいじめの記憶から少し逃れられる方法を見つけました。それはキャベツを刻むことです。そのために刻むキャベツは1週間に4玉以上になります。こうしてエミさんは辛さをしのいでいます。

 

いじめられた経験…忘れた頃に

52歳のサトミさん(仮名)にいじめ後遺症とおもわれる症状があらわれたのは10年前。その後、適切な治療を受け今は回復しています。サトミさんは体型を理由に男子生徒から毎日のようにいじめられていました。いじめは次第にエスカレートし、殴る蹴るの暴力をふるわれるようになりました。それでもサトミさんはいじめられたのは全て自分が悪いせいだと思っていたと言います。もう二度と男子生徒からいじめられたくないと思ったサトミさんは、地元の中学校には進まず私立の女子校へ進学しました。大学卒業後に結婚。2人の子供に恵まれ幸せな家庭を築いていました。ところが、事務職として働いていた40代の頃、お昼ご飯の時、サトミさんは自分だけが誘われず部屋に一人残されてしまったように感じました。すると、小学生時代いじめられていた時の感情が蘇ってきました。サトミさんは次第に人の目を恐ろしく感じるようになり、結局仕事を辞めてしまいました。対人恐怖におちいり家にひきこもるようになったサトミさん。いつも誰からか怒られるのではないかと怯え、ひたすら家の隅々まで拭き掃除をし続ける日々を送っていました。買い物などの時は必ずヘッドフォンをしていました。人の声が聞こえてくるのが怖かったからです。

 

いじめ…そのときオトナは?

43歳のケイコさん(仮名)は今も対人恐怖があるため職場を短期で変えられる派遣の仕事をしています。いじめられていた中学時代、大人が誰も助けてくれなかったことがとてもつらかったと言います。当時ケイコさんはクライスメイトから突然無視され「くさい」「汚い」と毎日罵られるいじめを受けていました。ケイコさんのつらさに追い打ちをかけたのは担任の教師の対応でした。いじめを目撃していたにも関わらず何の行動も起こしてくれなかったのです。さらにケイコさんを失望させたのは親の態度でした。ケイコさんはいじめのつらさを母親に訴えました。しかし、返ってきた言葉は「社会に出たらもっとつらいことがたくさんあるの。それくらい我慢しなさい」でした。

 

いじめ…脳への影響は?

福井大学の友田明美(ともだあけみ)教授は子供の頃の強いストレスが脳に与える影響を調べています。友田さんはいじめ後遺症は脳が変化してしまった結果だと考えています。ハーバード大学と友田さんが共同で行った暴言虐待を受けた子供たちの脳がどのように変化したのか調べた研究です。暴言虐待を受けた方が聴覚野の容積が14%増加していたことが分かりました。このことで人の声などの音が入ってきづらくなり対人関係に支障をきたすことに繋がると言います。他にも厳しい体罰を受けると感情や思考に関わる前頭前野の容積が19%減ることが分かっています。うつ病の一種である気分障害につながることが指摘されています。

ただし、適切な治療をすればもとに戻る可能性があると言います。また他の部分を活性化させることで機能も回復します。

 

苦しみから脱却!

会社を辞めて家にひきこもっていたサトミさんは、1年が経とうというころ転機が訪れました。それは夫のすすめで心療内科を訪ねたことでした。そこで1年程かけていじめられていた自らの体験と向き合うことになりました。サトミさんは医師との対話の中でいじめられていた当時の様子や今も自分を責め続けていることを包み隠さず話しました。そんなサトミさんに医師は「あなたは悪くありません。いじめた方が悪いんです」と繰り返し言いました。サトミさんはこの言葉を聞くうちに自分が悪いという思い込みが消えていったと言います。さらにサトミさんが投書して掲載された新聞の記事を医師に見せたところ褒められたのです。サトミさんは文章を褒められて自分を肯定できるようになったと言います。


  1. 何十年にもわたって人の人生を奪ういじめ加害者を処罰(処分)する必要はないのか。

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