スーパーダイヤモンド|サイエンスZERO

NHK・Eテレの「サイエンスZERO(サイエンスゼロ)」でスーパーダイヤモンドについて放送されました。世の女性たちを虜にしてきた宝石の王様ダイヤモンド。ところが人類はついにダイヤモンドを越えるスーパーダイヤモンドを生み出すことに成功しました。スーパーダイヤモンドは見た目が特別なだけでなく、すごいパワーを秘めています。スーパーダイヤモンドは従来のダイヤモンドの約2倍も頑丈です。スーパーダイヤモンドは金属加工の世界に革命をもたらしつつあります。これまで難しかった特殊な金属の加工が容易になりました。加工の精度も格段に向上しました。

 

従来のダイヤモンドもスーパーダイヤモンドも材料はグラファイト(炭素)です。従来の人工ダイヤモンドはグラファイトに鉄などの金属を混ぜて装置へ。高い圧力で押しつぶし高温で熱します。するとグラファイトが金属の中に溶けてダイヤモンドに変わりやすい状態に。一度ダイヤモンドに変化するとダイヤモンドは金属に溶けにくいため結晶になります。

 

スーパーダイヤモンドの生みの親は地球深部ダイナミクス研究センターの入舩徹男(いりふねてつお)さん。入舩さんの専門は高圧地球科学。物作りが好きなあまり、ついにはダイヤモンドまで作ってしまったのです。まずは材料となるグラファイトをセラミックスの容器に入れ、その周囲を硬い金属で覆います。これを巨大プレス機の真ん中に置き上下左右から力をかけていきます。その圧力は3000トン。グラファイトを均等に圧縮しながら2500度に加熱します。待つこと6時間あまり。スーパーダイヤモンドの出来上がりです。従来の常識を破りグラファイトだけで作り出された画期的なダイヤモンド。その誕生のきっかけは思いがけないことでした。

 

入舩さんの研究は元々ダイヤモンドを作ることではありませんでした。岩石をグラファイトの容器に入れ高温・高圧にしどう変化するか実験していた時、ふとみると岩石よりもグラファイトの方に思わぬ変化が起きていました。ダイヤモンドのように光るものが出来ていたのです。もしかするとグラファイトだけでダイヤモンドができたのかもしれないと入舩さんは直感しました。温度や圧力を変えて何度も実験し1995年にグラファイトだけからダイヤモンドを作り出すことに成功。従来の常識を打ち破る新たなダイヤモンドの誕生でした。これを機に長年人工ダイヤモンドを製造してきた企業と共同研究を開始。このダイヤモンドの固さを詳しく調べてみると、世界でもっとも硬いダイヤモンドであることが分かったのです。2003年、共同研究の成果が世界的な科学雑誌に論文発表されウルトラハードダイヤモンドとして脚光を浴びました。

 

世界有数のダイヤモンドの産地アフリカ。とはいえダイヤモンドが掘り出されているのは、いくつかのエリアに限られています。実はダイヤモンドが採れる場所にはある共通点があります。それは、かつて火山活動があった場所。ただし普通の火山とは少し違います。それは5000万年以上前の地球で起きていたガス爆発のような巨大な噴火。地下深くから大量のガスとキンバーライトという岩石を吹き上げる大噴火です。この噴火で地上に飛び出してきたキンバーライトにはダイヤモンドが埋もれています。ダイヤモンドは地下深くで生まれ一気に地上へ運ばれた地中からの贈り物だったのです。




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