モンゴルの遊牧民族ツァータン|世界まる見え!

モンゴル最北部の森林地帯で、数先頭のトナカイを飼って遊牧生活を営んでいるトゥバ人。モンゴルでは彼らを「ツァータン(トナカイを持つ者)」と呼んでいます。

 

ツァータンの人口はわずか600人。彼らの家は、放射状に組んだ木に綿の布を巻きつけたオルツという移動式の住居です。トナカイの餌や交配・出産などに適した土地に合わせて、季節ごとに住む場所を変えながら生活しています。

 

彼らはトナカイの肉や乳を食料とし、その毛皮は衣服や靴として利用しています。また大地を移動する手段としてもトナカイはなくてはならない存在です。

 

 

ツァータンの子供たちは、歩き始めた時からトナカイの乗り方や扱い方を身につけ、投げ縄をトナカイの角に引っ掛けて捕まえるという狩猟テクニックを学びます。

 

そんな彼らの唯一の楽しみはテレビを見ること。古い大きなパラボラアンテナを再利用し、ソーラーパネルで発電。映りは悪いですが、みんなテレビの前に釘付けになります。

 

ツァータンの結婚物語

ガザルオール(18歳)とソロンゴ(17歳)は将来を誓い合った恋人同士ですが、そのことをまだ誰にも話せずにいました。ガザルオールは勇気を出して両親に結婚の意思を伝えました。しかし、ソロンゴの父親は気難しい人で結婚は認めてくれないだろうと言います。

 

そしたら父ちゃんみたいにソロンゴを誘拐して結婚する。

(ガザルオール)

 

ツァータンでは、かつて女性を連れ去り強引に結婚する誘拐結婚という風習がありましたが、それはもう昔のこと。なす術もなく悩む息子のために、父ガンゾリグはソロンゴの父の親友ダグジェーに仲人を依頼しました。

 

ダグジェーは早速ソロンゴの父親を訪ねました。しかし「あの男はまだ半人前だ!家庭を築くにはまだ未熟だ!」と2人の結婚を認めてくれませんでした。

 

そんな中、放牧していた数十頭のトナカイが逃げてしまいました。翌日、幸いなことにほとんどのトナカイは捕まえられましたが、残りの何頭かは遠くへ逃げてしまいました。

 

そこで、ガザルオールが立ち上がりました。一人前の大人として認められるため、そしてソロンゴとの結婚を了承してもらうため男の見せ所です。

 

ガザルオールは逃げたトナカイの捕獲に成功。捕まえたのは1頭だけでしたが、集落に戻ると大歓迎を受けました。

 

ソロンゴの父親も近い将来2人の結婚を認めてくれるに違いありません。

 

「世界まる見え!テレビ特捜部」

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