イギリス・ロンドン北部アーチウェイに住むジョンとレベッカは、理想のマイホームを探して2年、閑静な高級住宅街に念願のマイホームを購入しました。マンション代とリフォーム代で90万ポンドかかりました。
リフォームも終わりやっと家に住めると思ったのに、不動産会社から「誰かが家に住んでいる」と電話がありました。2人の家が乗っ取られてしまったのです。留守中の家や空き家を無断で占拠して住みつく「スクウォッター」と呼ばれるたちの悪い連中です。イギリスではこれが大きな社会問題となっています。
ジョンとレベッカ夫妻はただちに警察に通報。ところが、警察の力では彼らを退去させることは出来ないと言われてしまいました。
日本では他人の家に勝手に住みつくと住居不法侵入罪で罰せられます。しかし、イギリスには無断居住者を保護する法律があるのです。
もともとは住んでいる人を不当に追い出すことはできないという600年も前に生まれた法律でした。それがいつしか不当に住んでいる人も追い出すことはできないというおかしな解釈がされるようになってしまいました。
スクウォッターたちは、法律の網の目をかいくぐり、あの手この手で人様の家に居座り続けているのです。
ジョンとレベッカが家を取り戻すには、裁判所に状況を説明して理解してもらった上で無断居住者に退去命令を出してもらう必要があります。しかし、それには長い時間と多額の費用がかかってしまいます。
家を占拠されてから1ヶ月、裁判所から退去命令がおり無断居住者たちは家から追い出されることになりました。やっと家に住めることになったジョンとレベッカですが、家の中は荒れ放題。2人は家の清掃代や勝手に使われた光熱費、法的費用を合わせて680万円も支払わなければならなくなりました。
こうした理不尽な状況をうけてイギリス政府は現在、スクウォッターに対処できる法律の制定を検討しています。
「世界まる見え!テレビ特捜部」
イギリスのマイホームトラブル
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