アルビノとは、主に皮膚などにあるメラニン色素をもともと持たない体質のこと。関連する遺伝子はいくつか分かっていますが、体質を根本的に変えることはできません。命に関わることはありませんが、皮膚や体毛が白いことが特徴です。
どの人種にも起こる疾患ですが、タンザニアなどアフリカ東部は世界で最も発症率が高いと言われています。そして問題はタンザニアには信じられない言い伝えがあることです。
アフリカ各地では、古くから呪術師の存在が生活に欠かせません。呪術師たちの一部には、アルビノを神がもたらした特別な存在と考える者が今もいます。しかも、その体は奇跡を招く薬と信じられ、幸運と繁栄をもたらすと考えられてきました。
その迷信は具体的になり、アルビノの足の骨を持って鉱山に入れば金を掘り当てられる、アルビノの髪の毛を編みこめば沢山の魚がかかるなど。富や権力を得た富裕層は呪術に多額の金をかけるため、アルビノのブラックマーケットまで成り立ってしまいました。脚は4000ドル、全身なら75000ドル。この迷信によりアルビノを襲撃し手足を持ち去る事件が後を絶ちません。
アルビノに生まれたムリアムさんは両腕を奪われました。おそらく何者かが身体を売りさばき金を手に入れたのでしょう。
ムリアムさんには3歳の息子がいますが、我が子を抱くこともできません。それでも命が助かっただけ幸運だったと彼女は言います。
他の村の男性は、幼い姪っ子が殺されるのを見たと言います。犯人たちはアルビノの姪っ子を切り裂き、コップに血を入れ、そのあと脚を切断したと言います。
あまりにも非科学的な、非人道的なアルビノへの偏見はタンザニアの深刻な問題です。アルビノの悲劇はいぜん絶えず、タンザニア政府も乗り出しました。国の運営する児童養護施設は、アルビノの子どもたちを積極的に受け入れ守っています。とはいえ、入所した子供たちの多くは外で生活できないままになります。
「ザ!世界仰天ニュース」
アフリカ…白い肌の悲劇
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