肥満は世界最大の健康問題だ
(WHO)
BMIとは肥満度を表す指数です。
BMI計算式体重(kg)÷身長(m)²
WHOが肥満と定めているのはBMIが30以上です。日本肥満学会はBMI25以上を肥満としています。
世界の人口は約73億9000万人です。WHOが発表している肥満(BMI30以上)は6億人以上。肥満予備軍にあたる過体重(BMI25以上)は19億人以上います。
肥満化する社会の背景
技術革新は食料の生産、加工、流通のどの段階にも変化をもたらしました。そのおかげで、私たちはいつでも安くて美味しい食品を手に入れられるようになりました。これがカロリー摂取量を増やした要因と考えられます。
さらに、アメリカでは農業補助政策が肥満に影響していたと言われています。食料を安くするため、国が補助金を投入してトウモロコシや大豆の大量生産を後押し。すると、過剰に生産されたトウモロコシはガムシロップなどに加工されました。これが過食や肥満に繋がったと考えられています。
所得で異なる食事バランス
厚生労働省の発表では野菜類や肉類は所得が高いほど摂取量が増えています。一方で、米やパスタなど穀類は所得が低いほど摂取量が増えています。肥満者の割合も低所得者の方が高いと言います。
ヨーロッパの研究では、肥満の人は賃金が低いという傾向があります。アメリカだと特に女性にその傾向があると言います。さらに、10代で肥満だった人は大人になった時に所得が低い傾向があります。
経済学大実験 つんつんで痩せられる!?
被験者は3人ずつAチームとBチームに分かれます。どちらもメニューの中から好きなサンドイッチを選んで注文してもらいます。そして、選んだサンドイッチの合計カロリーをチームごとに計測しました。
Aチームは合計1028キロカロリーでした。一方、Bチームの合計カロリーは906キロカロリーでした。
実は、メニューの種類は一緒でしたが、Bチームのメニューには目立つところにヘルシーなサイドイッチが表示されていたのです。
ナッジ「指やひじで軽くつつく」という意味。人に意識させず、より良い選択に誘導すること。
手にとりやすいところに低カロリーなものをおいておくと、自分で料理を作る時も健康的なものが作れるのです。
なんで太っちゃいけないの?
肥満は健康に悪影響を与えます。太れば太るほど生活習慣病になりやすくなります。がんや糖尿病、高血圧になる危険性も増えます。そうなると医療費が増えます。医療費は社会保険料や税金などで賄われています。肥満は自分の健康が悪化するだけでなく、他の人や企業、行政に多くの費用負担を強いることになります。
国内ではここ30年で特に男性の肥満人口が増加中。肥満を原因とする健康障害も増えていると言われています。生活習慣病を引き起こしやすい肥満を解消することで、年々増加する医療費の支出を少しでも減らすことが期待されています。
「オイコノミア」
経済学で知ってびっくり!肥満の正体
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