サンテ・カイムズは、誰もが羨む美貌の持ち主でしたが、その顔は整形で作ったものでした。さらに、豊胸手術も行ってました。その目的は金持ち男を捕まえるためでした。
偽りの美貌を武器に何人もの資産家と交際。愛人として優雅な暮らしを送っていました。もちろん整形のことは秘密で、若き日のエリザベス・テイラーの写真を若い頃の自分だと言っていました。あまりにも堂々とした嘘に男たちも完全に騙されました。
そんなサンテ・カイムズが結婚相手に選んだのは気の弱い金持ち男。思うがままに金を使う身勝手な結婚生活。欲しい物は全て歯止めなく買いあさり、支払いは夫名義のカード。１度に数百万使うこともザラでした。
夫のお金が尽きそうになると家を放火し多額の保険金をだまし取りました。こうして財産を食いつぶすと離婚。高額な慰謝料を受け取り別の男を探しました。
夫が失った財産は数億円、それでもサンテ・カイムズは満足できませんでした。この異常なまでの金への執着心はサンテの生い立ちが深く関わっていました。
サンテ・カイムズの生い立ち
１９３４年、アメリカのオクラホマ州で３人兄弟の末っ子として生まれたサンテ。３歳で両親が離婚し母親に引き取られました。兄弟は極貧生活を強いられました。大人は誰も助けてくれず、キレイな服を着た子供が羨ましくて仕方ありませんでした。
生きる為には盗むしかありませんでした。嘘も泥棒もサンテはとてもうまかったと言います。
１３歳の時に転機が訪れました。養女に引き取られたのです。満腹になるまで毎日食べられ、キレイな洋服も沢山買ってもらえました。貧しさから一転し満たされた生活を手に入れたサンテですが、この幸運が彼女の心を歪ませました。まじめにコツコツ働くなんてまっぴらゴメン、お金は奪うものという考えに取り付かれたままサンテは成長しました。働かずに金を手に入れる一番簡単な方法が裕福な男の財産を食いつぶすことでした。
３５歳の時、ついに自らの欲望を満たす億万長者を見つけました。ケン・カイムズ（５７歳）というアメリカ各地に不動産会社を持つ大富豪です。総資産は推定２０億円以上。サンテより２２歳年上で妻と離婚したばかりでした。知人を通じケンと出会ったサンテは事前に調べておいたケンの好みの白いドレスと好みの香水で登場しました。貴婦人の仮面を被った悪女にケンは虜になってしまいました。
愛人としてケンと暮らしはじめたサンテは、ケンの金を自分のものにするために妊娠しました。ケンには離婚した妻との間に２人の子供がいました。もしケンが亡くなれば遺産は２人の子供にいき、愛人であるサンテのもとには入ってきません。確実に遺産を手に入れるにはケンと血のつながりのある子を生むことが必要でした。サンテは男の子を出産し、ケニーと名づけました。
アルコール依存症を患って酔っていたケンにサンテは「前の奥さんが生んだ子供が私たちを遺産目当てに殺そうとしている」という嘘を毎日言い続けました。いつしかケンはそれを信じ込み前の家族と絶縁しました。遺産を相続できるのはケニーだけになりました。
サンテは息子ケニーにあらゆる犯罪を教え込みました。万引きでバレた場合の対処法や空き巣の方法、文書偽造の方法など。
サンテが６０歳の時にケンは病気で死にました。サンテは待ちに待った時が来たと思いましたが、会社の業績不振でケンの遺産はほとんど残っていませんでした。２５年前なら美貌を武器にやり直すことができましたが、もう６０歳。誰も見向きもしてくれませんでした。
１９歳になったケニーは、サンテの教育で凶悪な犯罪者になっていました。２人はニューヨークでアパートを経営するアイリーン・シルバーマン（８２歳）から金を奪い殺害する計画を立てました。まずはアイリーンが所有するアパートにケニーが偽名で入居を申し込みました。契約書を交わすことで彼女の直筆のサインを手に入れることが目的でした。その筆跡を真似て財産管理の書類を偽造。アイリーンの財産をひそかにサンテの名義に変更しました。そして訴えられないようにアイリーンを殺害しました。
犯行から数時間後、死体を隠し寛いでいると警察が突入してきて逮捕されました。容疑は２人が数ヶ月前に行った詐欺事件でした。しかし、サンテの持ち物からアイリーン殺害の決定的証拠「殺人計画ノート」が見つかり殺人罪で再逮捕されました。これまで行った多数の余罪も発覚しました。
裁判で下された判決はサンテ・カイムズ懲役１２０年、息子ケニーは懲役１２５年。２人は反省するそぶりなど見せず判決後もウソを叫び続けています。
「ザ・ベストハウス１２３」
我が子を犯罪者に育て上げた！欲望のままに金を貪り続けた懲役１２０年女
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