過酷な地で暮らすアファール人の驚異の遺伝子|最新遺伝子ミステリー

東アフリカ・エチオピアのアファールは、地球で最も過酷と言われる地です。この辺り一帯は地殻変動によりマグマとの距離が近く地球の内部で熱せられた様々な鉱物が噴き出しています。有毒ガスが絶え間なく噴き出す火山活動が活発な場所なのです。

アファールのアライラ村では5つの家族50人が生活しています。勇敢で誇り高き民族アファール人は、ラクダやヤギなどを生きる糧とする遊牧民です。太古の昔からこの地で暮らすアファール人は過酷な地で生きるため有利な遺伝子を持っています。

エチオピアの人々は、薬物代謝促進遺伝子を持っています。カロリンスカ研究所のエレニ・アクリル准教授によると、エチオピア人は毒物や薬物を外に出す遺伝子のコピーを複数持つ人が多いのだと言います。特定の遺伝子のコピーが多いと酵素の量が増え代謝が活性化。つまり、エチオピア人は他の人々に比べ毒物や薬物を素早く体外へ出すことが出来るのです。

彼らが持つ優れた毒物排出能力は、毒性の強い過酷な地で生き抜くために身に付いたと考えられています。毒物に強い遺伝子を持っている人の割合はエチオピアでは29%ですが、エチオピアから離れるに従って少なくなっています。日本では0.5%しかいません。

アファール人がこんな過酷な地で暮らしている理由は、ラガッドという塩が眠る大地があるからです。ラガッドには約10億トンもの塩が眠っています。アファールの人たちは塩を削ってそれを売って生計を立てているのです。

海のないエチオピアですが、かつてこの地域は海の底だったといわれています。3000万年前、アラビア半島が裂けて離れ一旦海に沈んだのです。その後、火山の活動により再び隆起。三角形の窪地アファール低地ができたのです。

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