志茂田景樹(しもだかげき)さんは直木賞作家でありながらド派手で奇抜なファッション、奇天烈なキャラクター、おねえのような奇妙なしゃべりで人気者となった男性です。
志茂田景樹さんと妻・光子(みつこ)さんの出会いは、当時2人が勤めていた保険会社時代。2年の交際を経て2人は結婚。新婚当時は4畳半のアパート暮らし。当時の志茂田景樹さんは保険のセールスの仕事をしながら小説家を目指していました。
結婚から3年後、長男が誕生。それから4年後には次男を授かりました。
直木賞を受賞
そして1980年、志茂田景樹さんは小説「黄色い牙」で直木賞を受賞。本は飛ぶように売れ6000万円という印税が入り、貧しかった生活は一転しました。
それと共に志茂田景樹さんの生活も一変。毎晩のように銀座の高級クラブで飲み歩くようになり、家にいる時間は1週間に3時間しかなかったと言います。
あまりに調子に乗る夫を見かね、妻・光子さんの怒りは爆発。しかし、志茂田景樹さんは奇抜なファッションになり、真面目で謙虚だった夫の姿はみじんも残っていませんでした。
不倫発覚
直木賞受賞から3ヶ月後、志茂田景樹さんの不倫が発覚。それは不倫相手からの嫌がらせの電話で発覚しました。愛人との別宅は自宅の向いのマンション。事務所といって借りたマンションでした。
光子さんは、夫の不倫を子供たちに気づかれないよう嘘をつくことに必死だったと言います。
一家離散
志茂田景樹さんのテレビへの出演は急激に増え、お茶の間の人気者になりました。しかし、そのせいで長男はイジメにあい、次男は非行に走り親の金を盗むようになりました。しまいには暴行事件で逮捕されたのです。
息子たちは家庭を顧みない父に反発し一家離散。イジメにあっていた長男は逃げるように海外へ留学。次男は家に帰らず、志茂田景樹さんは愛人の家に入り浸るようになりました。
家には妻・光子さん一人だけが取り残されました。しかし、それでも光子さんは離婚することなく家を守り続けました。
その頃、志茂田景樹さんは出版社を立ち上げましたが経営不振で負債ばかりがたまっていきました。そんな時、志茂田景樹さんが手をつけたのは家族の全財産1億円。光子さんは、それでも何とか家計をやりくりし破天荒な夫と離れず陰で支えました。
母の死
そんな生活が10年続いた頃、志茂田景樹さんの母くまさんが亡くなりました。くまさんは亡くなる直前「景樹、光子さんと仲良くしてね」という言葉を残しました。同じ女性として光子さんの苦労を誰よりも知っていたのです。
母の死から数日後、志茂田景樹さんは妻に「一緒に読み聞かせをやらないか」と提案しました。読み聞かせとは子供たちを相手に絵本を読むボランティアです。
あまりに強引な夫に押し切られる形でしぶしぶ付き合うことになった光子さんですが、読み聞かせをすることで志茂田景樹さんの心が変わっていったと光子さんは言います。子供の前での共同作業で夫婦の絆を少しずつ取り戻していきました。
そして志茂田景樹さんは不倫相手とも別れ自宅に戻りました。
そんな両親の姿を見て、非行に走っていた次男にも大きな変化が。今ではタクシードライバーとして地道に働き、両親と一緒に暮らしています。そして海外に留学した長男も日本に戻り今は家の近くに住み、家族4人が再び向き合い始めたそうです。
「爆報!THEフライデー」
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