ヒスタミン中毒で死亡した母娘|ザ!世界仰天ニュース

日本テレビの「ザ!世界仰天ニュース」でヒスタミン中毒で死亡した母娘について放送されました。2014年1月3日、インドネシアのバリ島に旅行に来ていたオーストラリア人のノーリーン・ビスチョフ(54歳)とイバナ・ビスチョフ(14歳)が亡くなりました。死因は窒息で、大きな外傷はありませんでした。宿泊していたホテルの部屋からは29種類もの薬と、男性の名前と電話番号が書かれた紙が発見されました。その男性は個人タクシーの運転手で母娘が死亡した日の朝、ウブドという町で2人を車に乗せ連絡先を渡して母娘と別れたのです。その後、2人は午後7時にホテルのレストランで夕食をとり異変が起き亡くなりました。イバナは死の間際、体に赤く腫れたじんましんのような発疹が確認されていました。

 

インドネシア警察の法医学研究所は、ホテルから採取された母娘の荷物を検査していました。部屋にあった飲み物やコップから毒物のようなものは検出されず、大量の薬は頭痛や腹痛の薬、喘息の薬などでした。あの晩、体調の異変を感じた母娘は何とか症状を抑えようと持参した薬の一部を飲んだと思われました。いったい母娘はなぜ命を落としたのでしょうか?

 

ホテルのレストランの店員によると、母娘はベジタブルピザ、マヒマヒのグリル、チキンカレーを食べたと言います。食中毒を疑ったものの、他に具合の悪くなった客はいませんでした。バリ警察は事件性はないと判断し、遺体はオーストラリアへ引き渡されブリスベンにあるジョン・トン・センターで解剖が行われました。そして原因はヒスタミン中毒と判明しました。魚にはヒスチジンというアミノ酸が含まれています。マグロ、カツオ、カジキなど主に赤身の魚に多いと言われています。そのヒスチジンが微生物の働きによってヒスタミンという化学物質に変化。このヒスタミンを一度に100mg以上食べるとヒスタミン中毒を発症するとされています。食後1時間程度で下痢、嘔吐、頭痛、じんましんなどの症状が現れます。ヒスチジンをヒスタミンに変える微生物は高い温度ほど働きやすいとされており、また一度できてしまったヒスタミンは加熱処理をしてもなくなりません。日本でも給食や食堂などで出された魚料理が原因でヒスタミン中毒を発症した事例はいくつもあります。しかし、死に至ったケースはありません。実は世界的に見てもヒスタミン中毒で死に至るケースは稀です。ノーリーンとイバナの場合、夕食で食べたマヒマヒ(別名シイラ)が原因だと考えられました。通常は数時間休めば自然に良くなる程度の中毒ですが、彼女たちはなぜ死んでしまったのでしょうか?

 

それは母娘が喘息の持病を持っていたからと考えられています。ヒスタミンには気管支の筋肉を収縮させる副作用があります。母娘は喘息に加え、気管支の筋肉の収縮により呼吸がしづらくなった可能性があるのです。また、ヒスタミンに対して過敏に反応しやすい体質を持っている人とそうでない人がいます。もともと気管支喘息がある人は空気の通り道である気道が過敏です。そのため同じヒスタミンを摂取しても、より過敏に反応して重症になりやすいのです。