佐賀の保険金替え玉殺人事件の真相|アンビリバボー

フジテレビの「奇跡体験!アンビリバボー」で保険金替え玉殺人事件について放送されました。1981年1月22日、佐賀県星賀湾で釣り人が水没した赤い乗用車を発見し警察に通報しました。引き上げられた社内から男性の水死体が見つかりました。所持品から福岡県に住む水産会社社長の木村宏(仮名)と判明。車の名義も彼のものでした。後部のバンパーには別の車に追突されたようなへこみがあり、岸壁には別の車のものと思われるスリップ跡やテールランプの破片も落ちていました。一方、遺体には鈍器で殴られたような傷が複数ありました。これらから警察は交通事故を偽装した殺人事件と認定。佐賀県警と被害者が住む福岡県警に合同捜査本部が設置されました。

 

まず行われたのが被害者の身辺調査。木村宏は事件から6年前に鮮魚の仲買会社を設立。ハマチの養殖など精力的に事業を拡大し地元では仕事熱心な人として知られていました。しかし、前年の記録的な冷夏によってハマチの稚魚が全滅。これを機に経営が傾きだしていました。従業員によると消費者金融や高利貸しから2億8000万円もの借金があり、その取立てには暴力団も介入。何とか返済しようと木村宏は金策に走り回っていたと言います。借金返済をめぐり木村宏と暴力団の間で何らかのトラブルが生じたのではないかと推測されました。

 

しかし、刑事には気になる点がありました。それは事件直後、遺体の身元確認に妻・早苗(仮名)がやってきた時、木村が経営する水産会社の社長秘書・島田直子(仮名)も一緒に来たことです。捜査で島田直子は木村宏の愛人であることが判明。島田直子は結婚していましたが7年前に夫が失踪し、やがて死亡が認定されました。その後スナックで働き始めた島田直子は木村と出会い、気に入られ秘書となったのです。驚くことに木村の妻・早苗は会社の事務を担当。夫と直子との関係を黙認していました。刑事は2人の関係に疑問を抱く中、捜査は進展。鑑識の結果、木村の車に追突したと思われる車種が特定されました。さらに福岡県のレンタカー会社から有力情報が。事件が起きた翌日、犯行に使われたものと同じ種類の車を借りていた人物から「車が盗まれた」と連絡があったといいます。その借主は妻・早苗の弟でした。早苗の弟に事情を聞くと早苗から頼まれたものでした。そして木村宏には2億7000万円の保険がかけられていたことが判明。受取人は早苗。従業員によると早苗は夫の借金地獄の矢面に立たされていたと言います。その後の調べで木村は愛人の直子からも2500万円もの金を借りていることが判明しました。

 

早苗と直子は事件当日、篠栗参りに出かける予定で弟にレンタカーを借りてもらったといいます。しかし途中で運転していた直子の気分が悪くなったため早苗の自宅へ。そのまま早苗の自宅に直子も泊まり、深夜に木村宏が亡くなったと連絡が入ったため2人で警察署へ向かったのだと言います。警察署へはタクシーで向かったといい、タクシー運転手に事情を聞くことに。すると早苗と直子の他にベレー帽をかぶった男もいたことが判明。そして事件5日後、タクシーに乗っていたのは直子の夫だったことを供述しました。夫が生きていることがわかると手当を受け取れなくなるため警察には届け出なかったのです。そして木村宏の殺害を早苗と計画し、死亡したことになっている自分の夫に実行役を依頼したと言います。こうして1月27日に被害者の妻と愛人が殺人容疑で逮捕されました。しかし、警察は直子の夫の足取りを一向に掴めずにいました。

 

事件から6日目、列車への飛び込み自殺が発生。自殺した人物は6日前に遺体で見つかったとされた木村宏だったのです。駅のホームには靴とともに捜査本部長にあてた遺書がおかれていました。借金におわれていた木村宏は病弱な妻や援助してくれた直子、従業員にこれ以上迷惑をかけられないと自殺を決意。生命保険がありましたが自殺では生命保険が満足に下りず4億円の借金は返せません。遺書には警察が把握していたよりもはるかに多い4億円の借金があると書かれていました。どうにかして保険金が満額おりる事故死にできないものかと考えたのです。そして木村宏は替玉殺人計画を思いつき早苗と直子を巻き込み実行にうつしました。

 

犯行当日、木村は妻にレンタカーを手配させ替玉を探すため直子と共に福岡の競艇場に。レンタカーは直子が運転し木村は自分の車で行きました。やがて自分に似ている男性を見つけると木村はさりげなく近づき食事に誘い男性を酒で酔わせました。眠ってしまった男性を車に乗せ佐賀県へ。そして人気のないところで顔が判別できなくなるまでバットで殴りました。その後、自分の着ていた服を男性に着せ自分の車の運転席に乗せ、後ろからレンタカーで追突。男性を海に葬ったのです。その後、福岡に戻り証拠隠滅のためレンタカーを海中に沈めました。これが木村宏が考案した保険金替え玉殺人計画の一部始終です。しかし詰めが甘く犯行直後、遺体を確認しにきて欲しいとの連絡が入ると妻と愛人は北九州の自宅から佐賀県の唐津署へタクシーで向かいましたが、逃亡をはかった木村宏が同じタクシーに乗ってしまったのです。直子の夫は本当に失踪したまま行方不明で彼女が苦し紛れにだした嘘の証言でした。そして事件6日後に早苗は事件の真相を告白。そのことをニュースで知った木村宏は逃げ切れないと思い遺書を書き自殺したのです。

 

妻の早苗には殺人幇助の罪で懲役4年、直子には殺人の共犯として懲役7年の実刑判決が下されました。




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