100歳を超えた高齢者を日本の医学会では敬意を込めて「百寿者(ひゃくじゅしゃ)」と呼びます。近年こうした百寿者の体を研究する中で、血管に関する驚くべき事実が明らかになってきました。それは血管を若く保つ善玉ホルモンがあったということ。
通常、血管は年を重ねるごとに老化が進み傷んでいくものです。しかし、100歳を超えて生きている人たちはあるホルモンの効果で血管を若い状態に保つことが出来ているのです。そのホルモンとはアディポネクチン。
1996年に日本人研究者によって発見されたホルモン。その働きは傷ついた血管壁を元のように修復すること。他にも血糖値や血圧を下げる働きがあることが明らかになってきた。
アディポネクチンを多く分泌するには?
体型を維持しているとアディポネクチンが多く分泌されるようです。
アディポネクチンが作られているのは内臓脂肪などを始めとする脂肪。通常、私たちは脂肪細胞をお腹の周りにつけ、エネルギーとして蓄えています。この脂肪細胞から血管を若く保つアディポネクチンが分泌されるのです。
しかし、食べすぎなどで肥満体型になると脂肪細胞も膨らみます。すると、アディポネクチンを十分に分泌できなくなってしまうのです。
また肥満によって脂肪細胞が肥大化すると善玉だったはずのアディポネクチンが血管を傷つける悪玉ホルモン炎症性サイトカインにとって変わられてしまうのです。この悪玉ホルモンが出るとインスリンが効きにくくなり糖尿病になりやすくなったり、血管に炎症を引き起こし動脈硬化を引き起こしたりするのです。
善玉から悪玉に変わる体型の境目はどこ?
番組では様々な体格の男性17名を調査。へその高さでお腹周りを測る腹囲と血液中の善玉・悪玉ホルモンとの関係を調べました。
多少のばらつきはあるものの、お腹周りが大きくなればなるほど悪玉ホルモンの量が増えていることが分かりました。男性なら腹囲85cm以上、女性は腹囲90cm以上から要注意です。
しかし、痩せろといってもそう簡単に痩せられません。
善玉ホルモンをより多く分泌する方法は?
詳しいメカニズムは分かっていないものの、魚の油に含まれるEPA、DHAがアディポネクチンを増やすと考えられています。
さらに、赤ワインもアディポネクチンを増やす可能性があるそうです。
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