マインドフルネスで脳を改善!|サイエンスZERO

NHK・Eテレの「サイエンスZERO(サイエンスゼロ)」で新・瞑想法 マインドフルネスで脳を改善!が放送されました。ビジネスマンたちに今大人気なのが瞑想です。実は、脳に良い効果があることが科学的に証明され「マインドフルネス」という新たな瞑想法として世界中に広まっているのです。さらに医療の現場でもマインドフルネスが活用されています。わずかな期間、実践するだけで脳の機能や形までもが大きく変わることが分かってきました。

 

マインドフルネスが大ブーム

マインドフルネスはビジネスの世界で大きな注目を集めています。ヤフーでは毎週1回10分程度、仕事の前にマインドフルネスを取り入れています。他にもグーグルやインテル、フォードなど世界の多くの企業で導入。マインドフルネスによって集中力をアップ、仕事の効率を上げることができると言います。

 

医療現場で使われるマインドフルネス

イギリスではマインドフルネスが医療の現場に取り入れられています。対象となるのは不安症やうつ病の患者など。ダラム市では7年前から3500人が実践してきました。

「マインドフルネスはうつ病や不安症、パニック障害などストレスの病気に対処するのに本当に役に立ちます。こうした症状にどのように陥るのかに敏感になるため、それを防ぐ行動をとれるようになるのです」(リビングマインドフリー ギャリー・ヘッズ所長)

5年前、マインドフルネスの指導を受けたアビゲイル・ヤダムジェさんは今でも毎朝欠かさず続けています。当時、ヤダムジェさんは産後うつに悩まされていました。2人目の子どもの出産の頃、夫は仕事のため離れた場所に暮らしていました。幼い子供たちの面倒を一人で見なければならず疲れ切っていました。そこで、5週間のマインドフルネスの指導を受けたところ、子供との付き合い方が改善していきました。子供が癇癪を起こすなど、手に負えなくなった時でもうまく対処できるようになったと言います。

 

脳科学がマインドフルネスを解明

カーネギーメロン大学のデイビッド・クレスウェル准教授は、マインドフルネスでどのように脳が変わるのかを調べています。集めたのはマインドフルネス未経験の35人の被験者です。その半分にはガイドとなる音声を聞かせながら、5分間のマインドフルネスをさせます。さらにマインドフルネスを意識しながらゆっくり動く体操や散歩などをして3日間を泊まり込みで過ごします。もう半分の被験者は3日間をリラックスした状態で過ごします。ただの体操や散歩などをするのです。3日間の合宿から2週間後、2つのグループの脳に大きな違いが現れていました。それは前頭葉の一部にあるdlPFCという部分です。思考や認知など知的活動のまとめ役をする重要な部分で大脳全体の司令塔と呼ばれています。ただのリラックス法をしたグループは実験の後dlPFCの活動が落ちていました。しかし、マインドフルネスをしたグループではその活動が大きく上がっていたのです。リラックスをしたグループの脳内で見られたのは、脳の一部が同期して活動する現象です。これは何も活動していない時にあらわれ、車のアイドリングの状態に例えられます。この状態をデフォルトモードネットワークと言います。このとき、脳の中では様々な雑念が浮かび、それがストレスを生み出します。一方、マインドフルネスをしたグループはデフォルトモードネットワークと一緒にdlPFCが活動するようになっていました。dlPFCが働くことで、デフォルトモードネットワークがうまくコントロールされるようになると考えられています。その結果、ストレスを感じにくい脳になるとクレスウェルさんは考えています。

 

簡単に実践!マインドフルネスで脳を改善

1、呼吸に注意を向ける
息が入ってくる体の感覚を感じるようにします。すると、お腹や胸が膨らんできます。それを「膨らみ膨らみ」と心の中でとなえます。出ていく時は「縮み縮み」と心の中でとなえます。このとき大事なのは呼吸をコントロールしないこと。深く吸いたい時は深く吸い、浅く吸いたい時は浅く吸います。しばらく続けていると何か雑念が浮かんできます。

2、雑念に気づき呼吸に注意を戻す
これが出来るようになったらいよいよマインドフルネスを始めます。

3、いろんなものを同時に感じる
足の裏が床についている感じ、お尻が椅子についている感じ、体がすっと伸びている感じなど、なるべく同時にいろんなものを感じ取ります。すると雑念自体があまり出て来なくなります。

最後はまぶたの裏に注意を向けてゆっくりと目を開けます。

時間はあまり重要なファクターではありません。自然が豊かな公園の中を歩くと、マインドフルネスと同じような効果が出るというデータもあります。歩いて行くといろんな刺激が入ってきます。それを五感で感じとっていくというのがマインドフルネスでやっていることと共通しています。

 

マインドフルネスで脳の構造まで変わる!?

マインドフルネスで変わるのは脳の活動だけではありません。何と脳の構造まで変わってしまうのです。ハーバード大学のサラ・ラザー准教授は1日45分のマインドフルネスを8週間行った人の脳がどう変わるかを調べました。すると、マインドフルネスを行った人は、海馬の灰白質が大きくなっていました。海馬は記憶や感情のコントロールに関わる部分です。ストレスを受けると損傷し、うつ病などに繋がる可能性が指摘されています。研究ではこの海馬の一部が増えていることが確認されました。マインドフルネスによってストレスに蝕まれた海馬が回復する可能性が見えてきたのです。さらに不安や恐怖といったストレスに反応する扁桃体は5%減少していました。このことで、ストレスに対しての過剰な反応が抑えられるとラザーさんは考えています。

 

マインドフルネスで遺伝子の活動が変化

ウィスコンシン大学のリチャード・デイビッドソン教授は、マインドフルネスをたった1日しただけで遺伝子の活動が変わることを突き止めました。それはRIPK2という遺伝子です。マインドフルネスをしなかった人ではRIPK2の活動はあまり変わりませんが、マインドフルネスをした人はRIPK2の活動が劇的に下がったのです。RIPK2は慢性の炎症に関わっている遺伝子です。


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