火星は灰色だった!?火星生命と人類移住計画|サイエンスZERO

NHK・Eテレの「サイエンスZERO(サイエンスゼロ)」で火星生命と人類移住計画について放送されました。火星にも生命がいるのではないかと古くから私たちの想像をかきたててきました。しかし現実の火星は見渡す限り赤い岩石砂漠。そんな火星に最後の望みをかけて送り込まれたのが火星探査車キュリオシティです。初めてドリルで火星の岩を掘り、そこに生命の証拠を探そうというもの。すると、赤い表面のすぐ下から灰色の岩石が出現。実は灰色こそ生命の可能性を示す大発見だと言うのです。

 

火星の赤色は鉄サビの色。火星は地球と比べて大気が薄いです。そのため宇宙から紫外線が降り注ぎ、活性酸素が発生。活性酸素が岩石の中の鉄分を酸化させます。それが赤サビです。紫外線や活性酸素は生命のもとになるアミノ酸やたんぱく質を分解してしまいます。そのため赤い火星の色は生命にとって不毛の色なのです。

 

2013年3月12日、キュリオシティの分析結果から火星生命に関する驚くべき成果が発表されました。キュリオシティがドリルで掘った岩石を調べると灰色に見える岩の深い部分ほど酸化されていないことが確かめられました。つまり、赤い火星の内部は酸化の脅威から守られ生命を育む環境が保たれていたのです。今回の調査では生命は出てきませんでしたが、生命が必要とするエネルギー源があるらしいことは分かってきました。酸化というのは岩石の中にある金属などから電子が奪われる現象です。表面から酸化が進み、まだ酸化されていない深いところから電子が表面に向かって移動。この電子の流れをエネルギー源として生きる微生物がいてもおかしくないのです。

 

生命の存在に必要な3つ目の条件が有機物です。今回掘り出された灰色の岩くずには有機物が含まれていました。分析の結果、検出されたのはクロロメタンという単純な構造の有機物。しかし、もっと複雑な構造の有機物があったかもしれないという科学者もいます。有機物を火星に多い過塩素酸塩と一緒に加熱するとクロロメタンになってしまうからです。サンプルの中に生命の痕跡や細胞があったとしても検出できないというのです。

 

着々と進められる火星の有人探査計画。果たして将来人類は火星に移り住むことが出来るのでしょうか。何しろ今の火星は水も緑もない荒涼とした砂漠だけ。しかも大気が地球の100分の1しかありません。そのため、気温は平均でも-55℃。人類にとっては極めて過酷な環境です。ならば火星に地球と似た環境を作り出せないか。そこで科学者たちが考え出したのがテラフォーミングという大胆な計画です。それはまず火星に工場を建設し、大量のフロンガスを作ります。それを大気中にどんどん放出。するとフロンガスによる温室効果で火星の気温を20℃も上げられると見積もられています。その気温上昇で溶け出すのが南極に存在するドライアイス。ドライアイスが溶けて大量の二酸化炭素が放出されると、それがさらなる温室効果を生み出し火星の気温は一段と上昇。すると、今度は火星の地下に存在する大量の氷が解け始めます。フロンガスと二酸化炭素の大気に守られて水は蒸発することなく表面に留まります。それがやがて大河となり火星を水で満たしていくのです。水があれば植物が生きられるようになり光合成によって大気中の二酸化炭素を酸素に変えて行きます。こうして火星は人間が住みやすい環境へと変わっていくのです。

 

オランダの民間団体が2023年に人類を火星に送り込むマーズ・ワン計画を発表しています。それは4人乗りのカプセル型宇宙船で次々と火星に着陸しコロニーを作っていく計画です。すでに各国から応募が集まっていて、その数は20万人以上にもなっているそうです。




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