ママたちが非常事態!?2 母とイクメンの最新科学|NHKスペシャル

NHK総合テレビの「NHKスペシャル」でママたちが非常事態!?2 ~母とイクメンの最新科学~が放送されました。1はこちら>>ママたちが非常事態!?最新科学で迫るニッポンの子育て

ママを追い詰める「人見知り泣き」の謎

頼れる人もなく孤独な子育てに苦しむママたちの多くが自分の子育ては間違っているのでは?という思いにさいなまれています。自分を攻めてしまう理由は何とも不可解な我が子の行動にあります。真季さんを悩ませるのは生後11か月のほのかちゃんの人見知り泣きです。激しい人見知りのせいで娘はずっとママにべったり。誰かに世話を頼むことができません。真季さんの育児の負担は増すばかりです。ほのかちゃんはパパにまで人見知り。多くの子に生後半年頃から始まる人見知りはなぜ起こるのでしょうか?

 

脳科学で解明!わが子が泣く本当の理由

生後10か月の赤ちゃんに母親の顔と知らない女性の顔を並べて映し見せる実験を行うと、知らない女性の顔を頻繁に見ました。一方、同じ実験を人見知りをする前の赤ちゃんで行うとママの顔ばかりを見て知らない女性には目もくれませんでした。実は赤ちゃんの脳は生後半年くらいまで母親など特に身近な人しか認識できません。少し成長すると、それ以外の人の顔も認識して関心を持つようになります。このとき始めるのが人見知りなのです。これはお母さんを中心に他人とつながっていきたいという社会性の芽生えの第一歩なのです。しかし、関心があるはずの相手を見てなぜ泣いてしまうのでしょうか?

人見知りの子が見ている場所は相手の目に集中しています。これこそが泣いてしまう理由です。実は動物は基本的に相手を威嚇するような時にしか目を合わせません。そのため目が合うと反射的に恐怖がわきおこり警戒心が高まります。この仕組みが人間の脳にもあります。知らない人と目が合うと恐怖を司る脳の偏桃体が自動的に働きます。大人なら相手が危険ではないと分かれば前頭前野が働いて恐怖を抑えることができます。しかし、脳が未熟な赤ちゃんは前頭前野の働きが発達していません。そのため目が合うと反射的に強い恐怖を感じて泣いてしまうのです。関心があるからこそつい目を見てしまい、恐怖を感じて泣いてしまう、パパが嫌いなわけではないのです。

 

わが子の暴走!?ママを悩ますイヤイヤ

イヤイヤを引き起こす本能的な欲求や衝動は脳の中心部分で生み出されます。大人になれば前頭前野が働いてそれを抑えます。抑制機能と呼ばれる脳の機能です。ところが子供の脳にはまだ抑制機能が育っておらず我慢することができません。それがイヤイヤの原因です。脳が成長すればイヤイヤは終わりますが、何とかうまく対処する方法はないのでしょうか?

 

アメリカ最新研究 我慢できる脳の育て方

脳の抑制機能の世界的な研究者であるニューヨーク大学教授のクランシーブレアさんは、長年の研究から抑制機能を育てる上で重要なポイントが分かってきたと言います。親がとにかくダメと怒って子供に我慢させようとすることがありますが、無理やり我慢させても子供の脳の抑制機能は決して発達しません。ブレアさんによれば、ダメと怒られた時に子供の脳で働くのは恐怖や不安を司る偏桃体です。恐怖によって一時的に欲求を抑え込むだけで前頭前野の抑制機能は働きません。子供が自ら我慢するように促すことが抑制機能の発達にとって大切なのです。ブレアさんが考えたのは子供に分かりやすいルールを決めるという方法。

2人一組の子供たちに渡されるのは耳と口の絵が描かれたカード。口のカードの子は絵本を朗読します。その間、耳のカードの子は黙って話を聞くというルールです。なぜ我慢するのかという理由を納得することが重要なのです。理由を知り自ら我慢するという経験を重ねることで前頭前野の抑制機能が育っていくと言います。分かりやすいルールを決め、我慢できたら思い切りほめてあげるというちょっとした工夫で子供たちの脳は成長していくのです。

 

わが子が変わる!脳を育む「親子のルール」

イヤイヤを起こしているさいの子供の脳は衝動的な欲求が暴走していて前頭前野が働きません。このとき、我慢できたらご褒美をあげると、それも我慢する理由ととらえ一時的に前頭前野が働きます。でもこれはあくまで緊急の手段。長い目で子供の脳の成長を考えるとやはり大事なのはルールや我慢する理由を考えさせてそれに従うことで、自分が次のステップに上がれることを理解させることです。

 

イクメン夫の大奮闘 なのに妻はイライラ?

達也さんは3歳の女の子と生後半年の男の子のパパです。ママは赤ちゃんの世話にかかりっきりなので、仕事が休みの日は長女の相手に精を出します。とにかく1日中娘の相手で大奮闘。娘さんもそんなパパが大好きです。これにはママも大助かりかと思いますが、ちょっとイライラすると言います。それは赤ちゃんが泣いたりしても夫の反応が遅いからです。これは性格の問題でしょうか?実はそうではないかもしれないことが最新の脳科学で分かってきました。

 

最新科学で発見!ママとパパの脳の違い

2013年に発表されたイタリアの研究で、赤ちゃんの泣き声に対する反応を調べました。実験に参加したのは男女9名ずつ。子育て経験のある人もない人も含まれました。まずヘッドフォンをつけ何も考えずにボーッとしてもらいます。すると時折ノイズ音と子供の泣き声が聞こえてきます。それぞれの音に脳がどれくらい強く反応するか調べる実験です。結果を平均すると女性はノイズ音よりも子供の泣き声を聞いた時の方が脳が強く反応していました。一方、男性はノイズ音も子供の泣き声も反応はほとんど変わりませんでした。女性の脳は男性に比べて特に子供の泣き声に敏感であることが確かめられたのです。さらに最近、日本の研究チームが驚くべき事実をつきとめました。母親にわが子の泣いている映像を見せただけで特別な脳の回路が働くことが分かったのです。まず最初に活動するのは、いとおしさや不安を感じる部分。その直後、脳の後ろの方が働いてなぜ泣いているのかを分析。さらに脳の上の方、運動を司る部分が活性化しすぐさま我が子のもとに駆け付けられるよう身構えます。わが子の泣き顔を見ただけで即座に体が反応。育児中の母親には特別な脳の回路が生まれていたのです。

こうした男女の脳の違いがしばしば育児ストレスの原因になると研究者は指摘します。子供の泣き声に対する父親と母親の反応が違うのは自然なことです。母親の方が子供の声に対する反応が早いので、その反応の早さや対応の仕方を父親に求めてしまいます。しかし、父親にはそれができないので母親のイライラの原因になってしまうのです。では男性はどんなに頑張っても育児に対応できる脳にはならないのでしょうか?

 

イクメンパパに朗報!子育てで脳が変わる

実験に参加したのは子どもに接した経験がほとんどない男子大学生9人。そんな彼らに週1回2時間の育児体験を3ヶ月間続けてもらいました。そして子供の泣き顔を見た時の脳活動の変化を調べると、脳の活動する場所が増えていました。子供に愛着を感じる部分など複数の場所が活性化していたのです。男性もわが子の育児に参加することによって父親としてのスイッチが入り父性が徐々に育まれるのです。

 

夫がイクメンに変身!?愛情ホルモンの不思議

イスラエルの研究機関の実験では、41人の父親が参加し15分間わが子と触れ合ってもらいました。その後、血液を採取して分析すると子供と触れ合う前に比べて父親の体内にオキシトシンが増えていることが確かめられました。オキシトシンとは出産を機に女性の脳から放出されるホルモン。わが子への愛着を強める働きがあり「愛情ホルモン」とも呼ばれています。そのオキシトシンが男性でも子供と触れ合うだけで放出されていたのです。さらに別の実験で子どもの体内のオキシトシンも調べたところ、父親の体内でオキシトシンが増えるとそれを追いかけるように赤ちゃんの体内でもオキシトシンが増えることが確かめられました。両者のオキシトシンが増えることで父と子の愛情や絆が強まっていくと考えられています。

 

浮気防止に効果あり!?イクメン夫の意外な変化

ドイツの研究によると男性にオキシトシンが増えると夫婦関係に思わぬ影響があると言います。実験には結婚している男性30人が参加。目の前には独身の女性が立ちます。男性が「ストップ」と言ったところで女性との距離を測ります。どこまで近づくと男性が抵抗感を覚えるかの距離を調べました。15人の男性の平均は55cmでした。ここで登場するのがオキシトシンスプレー。残る15人の男性にはオキシトシンを吸入してもらい同じ実験を行いました。すると15人の平均は70cmという結果に。

男性は魅力的な女性を見ればアプローチすると思われるかも知れませんが、パートナーがいる場合オキシトシンはその意欲を抑える働きをします。そうして夫婦の関係を長続きさせることで子供が安定して育つ環境を守ろうとしていると考えられています。




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