フェルメール「天文学者」|美の巨人たち

テレビ東京の「美の巨人たち」でフェルメールの「天文学者」について放送されました。ヨハネス・フェルメールの現在残っている作品は30数点。ほとんどは女性を描いたものです。男性一人をモデルにしたものは2点しかありません。その一つが「天文学者」です。「天文学者」には対とも言われる絵「地理学者」があります。2人とも同じ人物がモデルのようです。

 

フェルメールが活躍していた17世紀、オランダは東アジアとの貿易で莫大な利益を享受していました。この時代、外洋を航海する船には必ず天文学者と地理学者が乗っていました。彼らがいなければ大海原で船の位置を判断できなかったからです。

 

「天文学者」には旧約聖書の一説モーセの発見の画中画が描かれています。幼いモーセはエジプト王の虐殺から逃れるためナイル川に流されました。すると奇しくも岸辺で水浴びをしていた王の娘に発見され大事に育てられたのです。そして成長した後、奴隷状態だったユダヤの民を率いてエジプトを脱出しイスラエルに向かうことに。この旧約聖書のエピソードと天文学者の関係とは何でしょうか?

 

モーセは天文学の発祥の地であるエジプトで学問をおさめたと言われています。またエジプトからユダヤの人々をイスラエルまで導くという長い旅をしたことで天文学にも詳しかったと考えられています。「天文学者」の画中画は天文学者を聖書に出てくるモーセに通じる重要な学者だということを意味しています。つまりフェルメールは旧約聖書と天文学者の密接な関係を絵で示していたのです。そして机の上に置かれた「天文学・地理学案内書」の実際の本には「星を最初に観察し研究したのは聖書に登場する人々である。神からの助けを借りて我々のために計測し記録した」と記されていました。この本も天文学が聖書の時代から連綿と繋がる学問であり神の導きによって探求されてきたということを示しているのです。




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