惑星から外された冥王星と冥王星嫌いの男|世界まる見え!

日本テレビの「世界まる見え!テレビ特捜部」で冥王星について放送されました。2006年8月24日、チェコのプラハで開かれた天文学の国際会議で太陽系の一番外側の惑星だった冥王星が多数決によって惑星から外されました。その理由は直径が約2400kmと月よりも小さく、太陽を回る軌道が冥王星だけ大きく傾いているなど。この決定にすごく反応したのがアメリカ。実はアメリカには冥王星が大好きな人が多くいるのです。彼らはヘイデンプラネタリウム所長のニール・タイソンを責めました。彼はアメリカでは大の冥王星嫌いとして有名だからです。

 

冥王星は1930年に発見されてから惑星として扱われていましたが、違うのではないかと研究者の間で言われ出したのが1990年代後半。冥王星の周りには他にもたくさんの星があることが分かり、中には冥王星と同じくらいの大きな星も。とすると冥王星だけ惑星というのもおかしくないかと考えられ始めたのです。そこでニール・タイソンは2000年にプラネタリウムの太陽系模型から冥王星を外しました。しばらくするとニューヨークタイムズの一面に「ニューヨークのプラネタリウムが冥王星を惑星から外した」という記事が載りました。ニール・タイソンのもとには怒りのメールや抗議の手紙などが山のように送られてきたと言います。こうしてニール・タイソンの名は「冥王星嫌いの男」としてアメリカ中に知れ渡ってしまったのです。そして2006年に冥王星が学会で正式に惑星から外されると、それがまるでニールのせいであるかのような雰囲気に。それにしてもなぜアメリカ人は冥王星が大好きなのでしょうか?実は太陽系の惑星とされてきたものの中で唯一アメリカ人が発見した星だからです。1930年、天文台で助手をしていたクライド・トンボーが見つけたのが冥王星。彼の出身地であるイリノイ州では「冥王星が州の上空を通る時は惑星として扱う」と議会で可決までされています。

 

現在、太陽系の惑星の定義は、太陽の周りを回り、ある程度の大きさを持ち、球状でその軌道の周りに他の星がないとなっています。この定義だと冥王星は大きさと周りに他の星がないという2点で当てはまりませんが、元々惑星だったものを惑星から外すのはおかしいという議論もあるそうです。アメリカでは今でも冥王星を惑星に復活させようという運動が続いていて、何百人もの天文学者が冥王星は惑星だとする署名を行いました。さらに2006年に打ち上げられたアメリカの人工衛星が来年冥王星に到着し史上初めて詳しい調査を行う予定です。そして、その人工衛星にはクライド・トンボーの遺灰が積まれています。