咳をした途端、何やら奇妙な玉が口から出てくるという噂を聞いたことがありますか?
ためしてガッテンが100人に聞いたところ32人が、この謎の玉を出したことがあると言います。謎の玉を放っておくと、肩こり、心臓病、肌荒れ、大腸炎、目の病気などの危険があります。謎の玉はニオイがとても臭いため「ニオイ玉」と呼ばれていると言います。正式名称は膿栓(のうせん)です。
ニオイ玉と病気
静岡県に住む藤田幸江さん(54歳)は10年以上前からニオイ玉が頻繁に出たと言います。当時、食事が喉につかえることがよくあった藤田さんは、ニオイ玉が出た時も食べ物のカスが喉につまったのだと思い、深刻に考えることはありませんでした。
ところが8年前、急に体調を崩し1週間ほど喉の痛みが続きました。ようやく治りかけた頃、血尿が出たため病院へ。病名は腎臓病(IgA腎症)でした。しかも意外なことに腎臓病は喉にできたニオイ玉と深い関係があるというのです。
埼玉県に住む42歳の橋本京子さん(仮名)も以前から喉に異物感を感じることがあったと言います。そんな橋本さんを襲った症状は手足の発疹。いくつも病院にかかったものの原因は不明。その間にも症状は進行していきました。ついには24時間手袋をしてすごすように。
ニオイ玉ができる場所&正体
ニオイ玉ができるのは、喉の両脇にある丸い部分「扁桃」です。扁桃はでこぼこと凹凸があり、そのへこんだ部分にニオイ玉は入っています。
ニオイ玉は細菌の塊です。歯周病菌や大腸の悪玉菌などの仲間の細菌です。そのため卵の腐ったようなニオイがするのです。約1mmのニオイ玉に1~2億の細菌が密集しています。
ニオイ玉はどこから来るのか?
細菌は空気や食べ物と一緒に喉に侵入し、扁桃にたどり着くと攻撃を開始します。しかし扁桃は体を守る免疫器官であるためリンパ球などの免疫細胞が細菌の侵入を阻止しようとしてくれます。免疫細胞が細菌と戦っている証拠が喉の腫れ、扁桃炎の状態です。こうして倒された細菌の死骸の塊がニオイ玉に。喉にあっても特に問題はないのです。
扁桃でT細胞は食べ物や空気と一緒に入ってくるバイ菌と戦っています。扁桃は免疫を担うリンパ組織の一部で、扁桃以外にも全身にリンパ組織は存在しています。全身のリンパ組織にはそれぞれT細胞がいます。
しかし、扁桃のT細胞は間違った命令を出し、間違った命令を受けた免疫細胞が全身に出動してしまうことがあります。そしてバイ菌もいないのに、免疫細胞が全身を攻撃。腎臓や関節などに炎症を引き起こしてしまうのです。
なぜ扁桃のT細胞だけが間違った指令を出してしまうのでしょうか?それは全身のリンパ組織の中で扁桃だけが外にあるからです。膿栓は扁桃のT細胞が細菌と戦い続けた証拠です。このように膿栓ができ続ける状態を「慢性扁桃炎(まんせいへんとうえん)」と言います。この慢性扁桃炎の状態が長く続くと全身の様々な病気に繋がると考えられています。
慢性扁桃炎の症状
・のどのイガイガ感や違和感が1ヶ月以上続く
・膿栓(ニオイ玉)が月に3~4回出ることが3ヶ月以上続く
慢性扁桃炎の予防法
・口呼吸をしない
口呼吸をすると口の中が乾燥しやすくなり、慢性扁桃炎の原因になります。
「ためしてガッテン」
口から飛び出る謎の玉
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