「こうもり」のあらすじ
主人公は倦怠期をむかえた1組の夫婦。アイゼンシュタインとロザリンデです。
アイゼンシュタインは役人を侮辱した罪で数日間刑務所に入らなくてはならなくなりました。そこへ、友人のファルケがやってきて、アイゼンシュタインをパーティーに誘います。アイゼンシュタインは妻に刑務所に行くとウソをつきパーティーに参加。一方、妻のロザリンデも昔の恋人とよりを戻そうとします。
パーティーに謎の貴婦人が登場。実は、貴婦人は妻ロゼリンデが変装した姿。夫の浮気が気になりパーティーに押し掛けたのです。妻と気づかぬままアイゼンシュタインは口説きにかかります。
しかし、互いの浮気はついにバレてしまいます。お互いの過ちは「みんなシャンパンのせいなんだ」とお酒のせいにして仲直り。「こうもり」はそんなドタバタ喜劇なのです。
影の主役 友人ファルケ
「こうもり」には影の主役がいます。それが友人のファルケです。ファルケは、かつて自分に恥をかかせたアイゼンシュタインへの復讐としてくわだてたのです。
ファルケの歌に託されたシュトラウスのメッセージ
作曲当時のウィーンは、多くの民族が集まるコスモポリタンな街でした。しかし、貧富の差が人々を分断。我が民族こそ一番だというナショナリズムが広がりました。
ユダヤ人にルーツを持つシュトラウスは、互いを認め合う古き良きウィーンへの愛着を歌に託したのです。
私たちは兄弟たち姉妹たちに皆でなりましょう
ウィーンに受け継がれるシュトラウス
ウィーン国立歌劇場で大晦日に毎年決まって演じられるのは「こうもり」の舞台です。この曲は今もウィーンっ子たちのお気に入りなのです。
「ららら♪クラシック」
30分オペレッタまるわかり
ヨハン・シュトラウスの「こうもり」
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