フェルメールの「手紙を書く女」|美の巨人たち

テレビ東京の「美の巨人たち」でフェルメールの「手紙を書く女」について放送されました。

 

ヨハネス・フェルメールの「手紙を書く女」はワシントン・ナショナル・ギャラリーにおさめられています。「手紙を書く女」は縦45cm、横40cmの小さな油彩画です。美しく着飾った女性が机に向かい手紙をしたためています。纏っているのは色鮮やかなガウン。サテン地の滑らかさ、黄色の光沢、毛皮のぬくもり、それぞれの質感が巧みに描き分けられています。画面左手から射し込む柔らかな光は、女性の真珠のイヤリングや髪飾りを照らし、その美しさを一層際立たせています。

 

「手紙を書く女」を含め、フェルメールが手紙をモチーフに描いた作品は6点あります。なぜフェルメールはこんなにも沢山手紙をモチーフに描いたのでしょうか?

「17世紀のオランダでは郵便制度が急速に発達しました。当時の女性たちの識字率は非常に高く、手紙を書くことが大流行したのです」(ワシントン・ナショナルギャラリーのアーサー・ウィーロックさん)

手紙は当時、最先端の通信手段でした。特に恋文を書くことが流行していました。女性の日常の姿を描くフェルメールにとって、これ以上のモチーフはなかったのです。

 

「手紙を書く女」の美しさの秘密は構図と色つの使い方にあります。フェルメールは比率に準じて画面を綿密に構成しています。例えば机の幅はちょうど画面の半分。その高さは3分の1になっています。比率に準じて描くことで画面に安定感が生まれました。そして、その絶妙な配置の中にいる女性の体のラインを三角形にすることで安定感と心地よさが生まれているのです。もう一つの秘密は色彩にあります。絵の前に立った時、まず目がいくのは女性が着ている鮮やかな黄色いガウンです。しかし、実は黄色が使われているのは左腕の部分だけです。他の部分に使われているのは茶色です。ガウン全体に黄色を使うととてもひつこくなってしまいます。ほんの一部に黄色を使うことで逆に画面全体にインパクトを与えているのです。フェルメールは色の使い方においても天才的な才能を持っていました。

 

黄色いガウンはフェルメールの絵の中に幾度となく登場しています。ところが、着ている人物は全員別人のようです。その中で唯一こちらを見つめているのが「手紙を書く女」の女性です。なぜ彼女だけがこちらを見ているのでしょうか?

実はフェルメールが亡くなった後に作られた財産目録に毛皮付きの黄色いガウンが記載されていました。黄色のガウンはフェルメールの妻のものだったのです。そのため、一説には描かれている女性は妻カタリーナだと言われています。

 

壁にかけられた絵には一体なにが描かれているのでしょうか?ヴィオラ・ダ・ガンバという楽器が描かれている可能性が高いと言います。実は楽器こそ愛の象徴の印なのです。「手紙を書く女」はフェルメールが最愛の妻に送ったラブレターだったのかもしれません。

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