ダーカム病「どんどん太る謎の病」|ザ!世界仰天ニュース

2000年、アメリア・テキサス州でクリスティ・ロウェリー(33歳)は、結婚して8年の夫と8歳になる娘と暮らしていました。クリスティは急激な体重の増加に悩んでいました。3週間で10キロも太り70キロになっていたのです。しかし、見た目や服のサイズは変わっていませんでした。さらに、太ももにしこりのような違和感を感じていました。

クリスティは27歳の時にも腕にしこりができ病院に行ったことがありました。その時は脂肪腫だと言われました。

脂肪腫とは皮膚のすぐ下で脂肪細胞が増殖し膨らんだもの。痛みを伴うことがない良性の腫瘍。40代から50代の女性に発症することが多く、多量の飲酒や遺伝によるものだと言われていますが、原因はハッキリと分かっていません。

そのままにしておいても体に害はないと言われましたが、クリスティは切除手術を受けました。

太もものしこりが気になり病院に行きましたが、脂肪腫ではありませんでした。食事の量を減らしましたが、太ももの違和感も消えず体もだるく重く感じました。体重は増え続け、体は重く固くなり続けていました。何件も病院へ行きましたが、単なる肥満で異常は見られませんでした。

その頃から、夜中にふと目が覚めることが増え、全身が硬直し金縛りにあったみたいに呼吸も苦しくなりました。やがて歩くだけでも体中に痛みがはしるようになり、体重は90キロになでなっていました。さらに、触ると痛い腫瘍がいくつも出来るようになりました。ついに意識を失い病院へ。

この時、クリスティの体に見つかった脂肪腫は5つ。その大きさも普通ではありませんでした。すぐに脂肪腫の切除手術が行われました。すると、脂肪腫は体内にも多数発生していたことが分かったのです。脂肪腫の総重量は30キロもありました。この体内にできた脂肪腫が血管を圧迫し血液・体液の流れを邪魔し、心臓の周りに体液が流れ出し心臓を圧迫していたのです。手術によりクリスティの体重は元に戻りました。定期健診を重ね再発は免れました。

脂肪細胞の検査の結果、ダーカム病(有痛性脂肪症)という非常に珍しい病気であることが分かりました。

ダーカム病とはアメリカのダーカム・ウェイン医師によって発見され、専門の医師でなければ病気の存在さえ知らないことも多い病。

この病気は脂肪腫ができることから始まります。この脂肪腫は体内の体液をとりこみ肥大化。これが体重増加の原因になります。また脂肪腫が内臓や血管を圧迫するため痛みを感じるのです。また臓器の間にも発生するので、血管やリンパ管を圧迫しクリスティのように命に危険を及ぼすこともあるのです。

ダーカム病は、未だに原因がわからず効果的な治療法もありません。そのため再発の可能性がありました。ただ、専門の機械(CVACマシーン)を使って症状を緩和することはできそうで、頻繁に検査しできるだけ再発を防ぐことはできるそうです。

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