ジャンヌ・ダルク フランスを救った少女の物語|137億年の物語

少女でありながら強力なリーダーシップでフランス軍を率いてイングランドと戦ったジャンヌ・ダルク。彼女はいったいどんな女性だったのでしょうか?

ジャンヌ・ダルクの生い立ち

ジャンヌ・ダルクはフランスのドンレミ村で生まれました。実家はそこそこ裕福な農家で、ジャンヌ・ダルクは家の隣にあるサン・レミ教会に毎日通うことで信仰心を深めていきました。

そんなジャンヌ・ダルクに転機が訪れました。14世紀から15世紀にかけてフランスはイングランドとの間で百年戦争と呼ばれる長い戦争を繰り広げ、国土の半分近くをイングランドに奪われていたのです。イングランドはヘンリー6世、フランスはシャルル、2人は壮絶な争いを続けていまいた。

神の声を聞く

そんなある日、ジャンヌ・ダルクは不思議な声を聞きます。

イングランドと戦ってフランスを救いなさい。
シャルルをフランスの王にするのです。

神の声です。誰もジャンヌ・ダルクのことを相手にしませんでしたが、17歳の時、シャルルが住むシノン城へ行き「私は神の使いだ」と言い城の大広間に通されました。

シャルル7世

しかし、シャルルは彼女を信じていなかったため、家来の一人を椅子に座らせ、自分は家来に紛れて立って彼女を試しました。

ジャンヌ・ダルクは家来の中からシャルルを見つけ出し「私は神からのお告げを受けました。あなたをフランス国王にします」と言ったのです。そしてジャンヌ・ダルクはシャルルから鎧を与えられ戦士になりました。

ジャンヌ・ダルク

フランスを勝利に導く

当時、フランス軍は危機に直面していました。オルレアンという街がイギリス軍に包囲されていたのです。

ジャンヌ・ダルクは孤立するフランス軍に武器や食料を運び込むため川から船で行きましたが、この時フランス軍に有利な風が吹きました。フランス軍は次々と勝利をおさめ、シャルルはフランス国王として冠を授かりました。

魔女にされる…

ところが、ジャンヌ・ダルクはイングランドが占領していたパリを取り戻そうとするも失敗。するとシャルル7世は急に弱気になり、イングランド軍と休戦することにしました。そしてジャンヌ・ダルクはイングランドに味方するブルゴーニュ公に捕らえられてしまいイングランドに売り渡されてしまったのです。

1431年にジャンヌ・ダルクはイングランドで裁判にかけられ魔女にしたてられました。拷問にあった彼女は自分が異端だと認め、男性の格好をやめると書かれた書類に同意のサインをさせられました。そして女性の格好で牢屋に。男たちに襲われそうになったジャンヌ・ダルクは貞操を守るために仕方なくそばにあった男性の服に着替えました。その結果、約束を破ってまた異端に落ちたという理由で魔女と決め付けられ、火あぶりにあってしまったのです。

処刑執行人たちはジャンヌ・ダルクの遺体を灰になるまで焼き、セーヌ川に流したと言われています。ジャンヌ・ダルクは火の中で「イエス様」という叫びを残し19年の短い生涯を終えました。

ジャンヌ・ダルクの死後

ジャンヌ・ダルクの死後、100年戦争で勝利をおさめたシャルル7世はジャンヌ・ダルクの有罪判決の見直しを命じました。

1456年、ジャンヌ・ダルクの有罪判決は破棄され正式に無罪と発表されました。

さらに1920年、ローマ教皇庁によってジャンヌ・ダルクは聖女と認められました。

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