慶応義塾大学生A(22歳)は投資金名目で会社経営の男性から1800万円を騙し取った疑いで刑事告訴されています。
しかし、被害はこれだけではない可能性があります。この慶大生Aに多額のお金を騙し取られたと訴える出資者は1人ではないのです。Mr.サンデーが取材しただけでも9人もいます。その総額は1億8000万円にもなります。
慶大生Aは「元本は全額補償」「1年間の利率は400%」というセールストークで巨額の出資金を集めました。
慶大生Aに3500万円も出資した37歳の高瀬光弘さん(仮名)は信頼する友人の誘いがきっかけだったと言います。知人は慶大生Aを天才と呼び、会うことをすすめてきました。
高瀬さんは東京のマンダリンオリエンタルホテルで慶大生Aと会いました。ホテルの従業員も慶大生Aの名前を言うと顔パスだったと言います。商談の時、かたわらには絶えず商談に気を配る女性秘書がいたと言います。
勧誘してきたのは、慶大生Aが開発したという急落しそうな株の銘柄を探し自動的に売り抜ける売買システム。損失が極限まで抑えられる画期的なシステムを使えば1000万円の投資が1年後には4000万円の利益を生むこともあるというものでした。
うまい話にこそ気をつけるべきと、金融の専門家と一緒に会った人もいましたが、どんな質問にも慶大生Aは答えられたそうです。そして、出資者を送迎するために用意されたのは運転手付きのマイバッハでした。
慶大生Aに1000万円を出資した川本大悟さん(仮名)は都内の老舗ステーキ店で慶大生Aと会いました。川本さんは慶大生Aについて普通の男の子だけど頭がいいと思ったといいます。
慶大生Aはスーツにゼロハリバートンのカバンを持って、そこに現金を入れていました。時計もSEIKOでお金を持っているという感じではなかったといいます。慶大生Aは商談中に爪を噛むクセがあり、それが気になったといいます。
経営者などが集うパーティーで慶大生Aと親しくなったという水野あいさん(仮名)は慶大生Aのルーツを説明されました。ニューヨークの高校(慶應義塾大学付属ニューヨーク高校)に通っていたときに、高校の先生に教えてもらい株を始めたと言っていたそうです。大学では、はじめお金がなかったため親から100万円をかりて自分で運用し5000万円にして大学の学費を払っていると語りました。慶大生Aは高級クラブを貸し切り、現金300万円で支払っていたそうです。
しかし2012年2月、出資者たちに深刻な事態が起こりました。顧客が毎日運用実績をチェックできるよう作られていたというサイトに突如不具合が連続したのです。高瀬さんは解約したいという申し入れを2~3回もしましたが、ダメだったといいます。
慶大生Aは日本から逃亡し、シンガポールでの目撃情報があります。女性秘書も一緒でした。関係者によると慶大生Aは2月11日に日本を出国しています。
Mr.サンデーはシンガポールのホテルで聞き込みをしていました。日本を出国した翌日には慶大生Aら4人組は一流ホテルのスイートルームに宿泊していたようです。そして1人1万円前後のシャンパン付きランチを堪能していたと言います。さらに、19日から6日間はマリーナ・ベイ・サンズに宿泊していたようです。しかし、これを最後に慶大生Aと女性秘書の足取りは分からなくなっています。
出資者らは出資金の返還を求めて民事訴訟を起こし9月の判決で慶大生Aに6000万円の支払いが命じられました。刑事告訴もされているのでこれからの事態の進展が期待されます。
出資者の1人は海外にいる慶大生Aから電話をもらい最後に「金はまだ1億円ある、でも今は戻れない」と告げられたそうです。
「Mr.サンデー」
天才詐欺師・慶大生Aの出資詐欺の実態
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