女優・音無美紀子(おとなしみきこ)さんは17歳でドラマデビューし、約50年に渡り女優として活躍。これまでのドラマ出演本数は200本以上にもなります。
私生活では26歳の時に俳優の村井國夫(むらいくにお)さんと結婚。プレイボーイとして名高い村井國夫さんは時に女性問題で世間を騒がせる事も。しかし、音無美紀子さんは全く動じることなく気丈に振る舞い、強い女性として仕事も家庭も守り抜きました。
そんな音無美紀子さんの身体に異変が起きたのは39歳の頃でした。あるドラマに出演が決まり、台本の読み合わせをしていた時、字が読めず声が出せなくなってしまったのです。急遽降板を決定。これがうつとの闘いの始まりでした。音無美紀子さんの症状は日に日に悪化。仕事を休み家で過ごしていても家事ができず、家族との会話もままなりませんでした。しまいにはベッドから起き上がることすら出来なくなったのです。
音無美紀子さんがうつになった原因は乳がんでした。実はうつになる少し前、乳がんを宣告され左胸を切除する大手術を受けていたのです。乳房切除の手術を受けてから3ヶ月後、再発防止のため点滴で抗がん剤を入れていましたが、腕はパンパンに膨れ上がり紫色になってしまいました。細い血管に針がうまく刺さらず抗がん剤が漏れ出したためでした。30年程前の医療現場ではまれに起きる症状でした。これにより女優復帰できないかもしれないと思った音無美紀子さん。うつ病になってしまいました。
そして音無美紀子さんは死にたいと思うように。限界を迎えた音無美紀子さんは夫に「死にたい」という思いを告白しました。それに対し夫は「死んでもいいよ。でももう1年だけ生きてほしい。子供たちはまだ小さいから1年くれれば僕が君から家事を教わって育児が出来るようになりたいんだ」と言ったそうです。
うつ病の人にとって、例え死にたいという気持ちでも否定するのは逆効果です。死んでもいいと一旦肯定する事で気持ちを楽にすると言います。その後、村井さんも家事に協力しながら少しずつ元の生活を取り戻していきました。
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