藻から石油!オーランチオキトリウムのエネルギー革命|夢の扉+

オーランチオキトリウムは藻の仲間ですが、人類にとって貴重な油を作る藻です。オーランチオキトリウムは光合成を行わず水中の有機物を食べて油を作り細胞内に溜め込みます。

これまで、最も油を作る藻として知られていたのはボトリオコッカスですが、渡邉信さんが発見したオーランチオキトリウムはボトリオッカスの10倍以上の油が生産できます。この油の成分は石油とほぼ同じです。それゆえ、石油を生み出す藻として世界の注目の的になっています。

オーランチオキトリウムは渡邉さんが沖縄のとある場所で見つけました。エネルギー革命とは無縁と思われる場所で、奇跡の藻オーランチオキトリウムはマングローブの根っこでひっそりと暮らしています。渡邉さんはそれを持ち帰り次世代の燃料になることをつきとめたのです。藻は確認されているだけで4万種。まだまだ未発見のものが多いのです。

新聞がオーランチオキトリウムのスクープを報じたのは2010年12月。藻からエネルギー革命を起こす男として渡邉さんに風が吹き始めました。

オーランチオキトリウムは20万ha生育すれば20億tの石油を生産することが可能だと言います。世界の石油需要量は50億tなので、日本の耕作放棄地を使えば世界の40%の石油が生産可能なのです。

現在、世界各国が油を作る藻をめぐって熾烈な開発競争を続けています。その先頭を走るのがアメリカ。数兆円の開発予算を投じています。2年前には藻から作ったエネルギーでジェット機を飛ばしました。

渡邉さんが発見したオーランチオキトリウムは、アメリカの藻をはるかに上回る油の生産能力があると言います。世界中から共同研究をしようとの声をかけられていますが、渡邉さんはその全てを断っています。それは外国に技術が持っていかれると、その国がエネルギーの覇権を握ることになってしまうからです。

先月初めて国会でオーランチオキトリウムが持つ可能性が取り上げられました。東日本大震災を受けて、この新エネルギーに産業界も動き出しました。メイドインジャパンの石油を量産する夢を実現するためには産業界の協力が欠かせません。

渡邉さんは企業の研究者を招き藻の培養についての技術指導を行っています。番組ではオーランチオキトリウムを使ってトラクターを動かす実験に成功していました。

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