場面緘黙 話したいのに話せない少女の苦しみ|ザ!世界仰天ニュース

1992年、イギリス・ハートフォードシャー州に住むカースティー・ヘイズルウッド(4歳)はわがまま一つ言わない聞き分けの良い女の子でした。しかし、人見知りの激しいことが母の心配事でした。

幼稚園に通うようになって数ヶ月経っても全くしゃべらないカースティー。自宅でさえ知らない人がいると話さなかったのです。カースティーには話せる場所と話せる相手が限られているようでした。

心配になった母はカースティーを病院に連れていきましたが、特に問題はないと言われました。

幼稚園では一言もしゃべらないままカースティーは小学校へ入学。小学校でも話すことが出来ませんでしたが、母親に心配をかけたくなく言えませんでした。しかし、教師からの電話でカースティーが話していないことが明らかになりました。

カースティーの症状は場面緘黙(ばめんかんもく)選択性緘黙によるものでした。

場面緘黙とは言葉を話せるにも関わらず特定の場所や人の前では話すことができない状態のこと

生まれ持った不安になりやすい気質環境の変化などによって引き起こされると考えられています。症状の軽い人を含めると250人~500人に1人の割合でいると言います。

人見知りと場面緘黙の違いは、人見知りが人に慣れてくると話せるのに対し、場面緘黙は人に慣れてきても話せないことです。場面緘黙の人は話している姿を見られることや、話している相手が怖いなど恐怖を感じ状況によって声が出なくなります。

誰も気づかなかったカースティーの病気ですが、思わぬきっかけで話せるようになりました。

母親はホームビデオで話しているカースティーを撮影し教師に見せました。教師はクラスのみんなに見せることを提案。それは大きな賭けでした。

カースティーは自分の声を聞いても笑う子は一人もいないことに気づきました。そしてカースティーに話しかける子が増え、カースティーは学校で声を出すことが出来るようになったのです。

現在24歳になったカースティーは、しっかり話せるようになったどころかモデルとしても活躍しています。また2012年にミス・ハートフォードシャーでグランプリに輝きました。ミス・イングランドの大会にも出場しました。

今でも人前で話すことは緊張するというカースティーですが、ミス・ロンドンに向けてトレーニングに励んでいます。

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話したいのに話せない少女の苦しみ

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