学級崩壊、いじめ、不登校など学校では様々な問題が起きています。クラスにひそむ問題の芽をたった数十分の質問で浮き彫りにする驚きの心理アンケートがあります。
開発したのは早稲田大学教授の河村茂雄(かわむらしげお)さんです。河村茂雄さんの心理アンケートは年間340万部が発行され全国の小中学校や高校で学級作りに活用されています。
山梨県南アルプス市にある大明小学校の5年生は、先生の指導でクラスの空気ががらりと変わり明るくなったと言います。生徒たちは「男女が冷やかすことがなくなり発言しやすくなった」「4年生までは仲間はずれがあったのに5年になってからなくなった」と言っていました。
1年前、言葉の暴力などでクラスは壊れかけていました。その時、先生の助けとなったので「心理アンケートQU(キューユー)」です。今、多くの学校で使われています。
心理アンケートQUの所要時間は15分ほど。「学校内に気軽に話せる友人がいる」など毎日の学校生活に関する数十問の質問に答えていくだけ。一人一人の結果がグラフに点として描かれます。これは子供たちの学級満足度を表しています。
大明小学校の5年生に2012年このアンケートを実施したところ、38%が不満足群でした。ショックを受けた先生は改善策を立てました。友達同士の良い所を見つけて書いたり、授業中の発言を否定しないようにするなど、子供たち同士が傷つけ合わない環境を作っていきました。すると5ヵ月後、不満足群が5%に低下したのです。
河村茂雄さんは、実際に学校へ足を運びQUを活用した学級作りをアドバイスしています。その数はいまや100以上。河村茂雄さんが作ったQUはクラスの表情を見せてくれます。
「満足型」は笑顔、仲がよく活発で学力も伸びていくクラスです。「崩壊型」は不満と不安がいっぱい。学級崩壊につながるクラスです。隠れ崩壊型ともいえる予備軍が2つあります。
1つ目は「管理型」。静まり返った教室で子供たちは先生の顔色を伺っている状態。よく出来る子だけが目立ちます。できる子ばかりに注目が集まり、出来ない子に不満がたまっていくため崩壊へ向かいます。
もう一つは「馴れ合い型」。一見活気があるようですが、おしゃべりしたり歩き回ったり規律が緩いのが特徴。先生は手のかかる子ほど親身になりさらに友達感覚なのも特徴です。先生は他の子ばかりひいきしていると感じる子が増え、不満が爆発するのです。
「夢の扉+」
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