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第3の性「ムシェ」が輝く街 ~メキシコ・フチタン~|地球イチバン

メキシコ南部の街フチタンを世界的に有名にしたのは、男でも女でもない第3の性「ムシェです。ムシェの天国と言われるほど第3の性が輝く街です。

ムシェのコンテストは年に1度フチタンの街が熱気に包まれる大イベントです。参加するムシェは約200人。美しさと人望をかねそなえた一人が女王に選ばれます。

フチタンには街中の人に認められている伝説のムシェがいます。コンテストで3度女王に輝いたフェリーナさん(46歳)です。フェリーナさんは市内で人気の美容院を経営しています。美容師の腕は一流。さらに、エイズ防止活動なども続けてきました。3度女王に輝くという偉業はこうした実績が認められたからです。

ムシェである自分を受け入れるのは複雑です。重要なのは女になりたいという部分に執着しないこと。女になることはできないのだから。自分は男ではない女でもないムシェであることを認めるのです。自分自身のアイデンティティを確立することです。(フェリーナさん)

何でもパーティーにしたがるフチタンの人々。誕生日はもちろん仕事終わりや趣味の集まりでさえ近所の人総出で大宴会をします。その数年間600以上。ここでも活躍するのがムシェです。ムシェの豊かな感性はパーティーが多いこの街ではとても重宝されています。

フチタンでは女性が強いと言います。財布の紐を握るのも家を継ぐのも女性です。実はフチタンは母系社会。その歴史は紀元前にまでさかのぼります。男性が漁業や農業などの生産業を行い、女性が商いをとりおこない経済をまわします。ここでは女が表に出る方が社会の安定を増すと信じられてきました。だからこそフチタンでは女性と共にその役割を担うムシェたちにも輝ける場が多くあるのです。

女性が家を継ぐフチタンでは、女の子は15歳になると成人とみなされます。その儀式は日本でいう成人式のようなもの。結婚式よりも盛大に祝われます。

ちなみに男子はやってもらえません。

今年お祝いを迎えるのはファビオラさん(15歳)です。招待客は友達だけでなく近所の人まで約500人。この女の晴れ舞台を支えるのもムシェです。

ファビオラさんの衣装作りを任されたのは、ムシェのダリーナさん(27歳)。ダリーナさんは多くの女の子と同じように15歳のお祝いに憧れていたと言います。しかし、当時ムシェであることを父親に認めてもらえず夢は叶いませんでした。

女にはなれない、でも自分として生きていく

ダリーナさんはドレスに思いを込め続けてきました。

15歳のお祝いではお祝い会場まで40分の道のりを親族と共にねり歩きます。街の人へのお披露目と挨拶です。この日からファビオラさんはフチタンの女社会を支える一員として認められます。

「地球イチバン」
第三の性が輝く街~メキシコ・フチタン~

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