33人の命を奪った殺人フルーツ|ザ!世界仰天ニュース

2011年7月、アメリカ・インディアナ州にパチョリック家は暮らしていました。妻ミシェルは妊娠5か月。クリスマス前にはかわいい女の子が生まれるはずでした。

 

ところが9月、ミシェルはインフルエンザのような症状にみまわれました。産婦人科に行ってみると、インフルエンザではなく風邪だと診断されました。熱は下がったものの体はだるく気力がわきませんでした。実はこの時、ミシェルのお腹の中の胎児は深刻な状態でした。

 

その頃、アメリカでは大パニックが起きていました。食中毒で30人を超す死者が出ていたのです。被害者の数が最も多かったコロラド州のCDC疾病管理予防センター支部では、FDA(食品医薬品局)と手を組み原因を究明しようとしていました。

 

ミシェルは妊娠7か月で赤ちゃんを出産。赤ちゃんは1670gで、細菌に感染していました。リステリア菌でした。

リステリア菌牛や豚など家畜の腸内や魚類・土壌・河川など自然界に広く潜在する細菌

食べ物を介して口に入ると、免疫細胞に侵入し増殖。筋繊維に痛みを生じ全身にまわり多臓器不全を引き起こす可能性があります。健康な成人の場合、免疫細胞に侵入できず発症することはほとんどありません。一方で、高齢者や糖尿病などの持病を持つ人、胎児には命を奪うほどの猛威をふるいます。彼らが感染すると約30%が死に至る恐ろしい細菌です。

 

毎年、アメリカでは約2500人がリステリア菌に感染し、約500人が死亡しています。ミシェルの場合、リステリア菌が免疫細胞にまぎれて胎盤に侵入。無菌状態の子宮内が汚染され、本能で危険を感じた胎児が母体から出てしまったのです。ミシェルの赤ちゃんはケンダルと名付けられ抗菌薬が投与されました。

 

メロンでリステリア菌に感染

この集団食中毒の原因はメロンでした。リステリア菌がメロンに付着していたのです。なぜ、メロンに恐ろしい殺人菌が付着したのでしょうか?

 

メロンの購入先は大型スーパーでした。そこにメロンを卸していたのはコロラドの大規模農場でした。農家にあったメロンを調べると、患者から見つかったものと同じリステリア菌が皮に付着していることが分かりました。

 

リステリア菌は4℃以下の低温でも増殖しますが、70℃以上の温度で急激に死滅する性質があります。現在では、コロラド州のメロン農家の多くは収穫後、メロン専用の洗浄機で徹底的に消毒し乾燥させて出荷しています。なぜなら、リステリア菌は水分があると繁殖しやすくなるからです。

 

ところが、食中毒を起こした農家は、消毒・乾燥の意識に欠けていました。消毒をせず中古で買ったジャガイモの洗浄機を使っていました。その洗浄機からリステリア菌が検出されました。さらに、収穫したメロンは通常屋外の熱を冷ましてから冷蔵庫に保管しますが、屋外の熱を持ったまま冷蔵庫に保管していました。そのため、メロン表面に結露がおきリステリア菌が繁殖するのに好条件がそろったと考えられます。

 

日本のメロンは

日本のメロンは徹底した衛生管理のもとで育てられています。リステリア菌に感染した例は一度もありません。

 

農家の兄弟は逮捕され、5年の保護観察と6か月の自宅拘留。さらに、約3000万円の罰金と100時間の社会奉仕活動が命じられました。

私たちもこの事態に責任を感じ重く受け止めています。(農家の兄)

結局、このメロンを食べて食中毒になった感染者は147人。33人が死亡し、1人が流産しました。

 

ケンダルちゃんは今…

メロンによる集団食中毒事件から7年。ケンダルちゃんは6歳になりました。お腹には胃ろうで命を繋いだ跡が残っています。ようやく同じ学年の子たちの成長に追いついたと言います。心配されていた脳の障害は見受けられませんが、慎重に観察が必要だと言います。食欲も旺盛です。

3歳になるまで脳への影響が本当に怖かったです。まさかメロンでこんなことになるとは夢にも思っていませんでした。(母ミシェルさん)

 

妹ができてすごく嬉しかった。妹のためにいいお姉ちゃんになろうって決めました。(姉マディソンちゃん)

 

私はラッキーガールなの。(ケンダルちゃん)

ケンダルちゃんは逞しく成長していました。

 

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