ブリューゲル|日曜美術館

NHK・Eテレの「日曜美術館」でブリューゲル×大友克洋が放送されました。

 

「バベルの塔」は旧約聖書に登場する物語を題材にした作品です。人間たちが天に届く塔を作ろうとして神の怒りに触れ、互いの言葉が通じなくなってしまうというエピソードです。描いたのはピーテル・ブリューゲル。16世紀、現在のベルギー・フランドル地方生まれの画家です。ブリューゲルは縦60cm、横75cm程の広さの中に緻密な世界を築き上げました。そこに描きこまれている人間の数は1400人に達するとも言います。

 

ブリューゲルは16世紀半ば、フランドル地方で活躍しました。はっきりとした生い立ちは分からず、生前の言葉も一切残ってはいません。画家を志し、フランドル地方の中心都市アントワープに出てきたのは青年時代のこととされています。ブリューゲルは版画の下絵画家としてキャリアをスタートさせました。

 

ブリューゲルが生きた時代、水運に恵まれたアントワープは国際商業都市として栄えていました。港には新大陸から香辛料や銀を持ち帰るヨーロッパ各国の交易船がひしめきました。一方で16世紀前半にドイツで始まりキリスト教世界を分断した宗教改革がアントワープにも及びました。対立と抗争の中で多くの命が失われました。ブリューゲルは激しく揺れ動く社会の在り様を作品にしていきました。「金銭の戦い」はアントワープの暗部を巧みなユーモアで暴きました。ここでは勝者はいません。金儲けが優先されすぎると誰も幸せにならないという皮肉が込められています。「野ウサギ狩り」は一見のどかな風景画ですが、手前には不穏なシーンが描かれています。狩人が狙うのは2羽の野兎。そして狩人に気づかれぬよう槍を持つ男が木陰に潜んでいます。




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

コメントは管理人の承認後に表示されますのでしばらくお待ち下さい。管理人からの返信はありませんのでご了承ください。