スキンシップが足りないと赤ちゃんは育たない|教科書にのせたい!

かつては隔離されて行われていた未熟児の治療ですが、聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院の新生児集中治療室では出来るだけ母親と赤ちゃんを触れさせています。この方法はカンガルーの袋のようなぬくもりを与えるということで「カンガルーケア」と呼ばれています。母親の肌と触れ合うことで赤ちゃんの呼吸が安定し体重も増えていきます。赤ちゃんが本来持っている力を引き出すことで丈夫な体になっていくのです。現在では8割以上の病院でカンガルーケアが導入されています。

 

地球上には様々な動物がいます。私たち人間は哺乳類という仲間に分類されます。実は全ての哺乳類は赤ちゃんの時、肌への刺激を欠かす事ができないのです。もし親からのスキンシップが足りなかったらどうなるのでしょう。

 

1950年代、アメリカのウィスコンシン大学で心理学者ハリー・ハーロウによってある実験が行われました。生まれて間もないアカゲザルの赤ちゃんを檻に入れ母親代わりに哺乳瓶のついた針金の人形と毛布の人形を設置しました。これはミルクだけをくれる母親とミルクをくれないが肌のぬくもりを感じる母親のどちらをより必要とするかを観察する実験でした。

 

まず赤ちゃんは真っ先にミルクに食いつきましたが、お腹を満たすとすぐに毛布の人形へ移りました。このことから、赤ちゃんは本能的にスキンシップを求めていることが証明されました。しかし、生身の親からぬくもりを与えられなかった赤ちゃんザルは、成長して群れに戻されても他のサルを恐がる様になりました。そして最後まで仲間に入ることが出来なかったのです。

 

生理学の世界では、皮膚は露出した脳と言われています。なので皮膚に直接触れることが子供の脳に直接影響を与えるのです。スキンシップをすることでサルの脳からはオキシトシンというホルモンが分泌されます。このオキシトシンは、人との関係性や愛情など社会性を育む作用があります。もし人間の赤ちゃんがスキンシップを全く受けずに育ったらどうなってしまうのでしょう。過去にはスキンシップの人体実験が行われていました。

 

13世紀の神聖ローマ帝国、時の最高権力者フリードリヒ2世が行ったものです。フリードリヒ2世は、部下に生まれてまもない赤ちゃんを母親から引き離すとどのように成長するのか観察させました。国中から大勢の赤ちゃんが一箇所に集められ、隔離した部屋でミルクだけを与えて育てられました。すると赤ちゃんは十分なミルクを与えられていたにも関わらず全員が死亡したと言います。これはスキンシップが無い事による成長ホルモンの障害だと考えられています。

肌からの刺激は脳へと伝達され脳内で成長ホルモンが分泌されます。このことが赤ちゃんの体を成長させ病気に対する免疫力や抵抗力を強くします。そして温もりを感じる事で親子の絆を作るのです。

 

「教科書にのせたい!」




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