幻肢痛「失った手足が痛む謎と脳を騙して治すミラー療法」|ザ!世界仰天ニュース

事故などで不幸にも腕や足を失った人々は、驚くべき症状に苦しむ場合があります。もう無いはずの腕や足が激しく痛む「幻肢痛(げんしつう)」という現象です。しかも、その痛みは時に耐えられない程の激痛となって患者を襲うというのです。この症状にまっこうからいどんだ医師が、脳神経外科医のラマチャンドラン博士です。

 

1977年、アメリカ・サンディエゴ、ラマチャンドラン医師は腕や足を失った患者のその訴えが不思議で仕方ありませんでした。しかも、時には幻の爪が手に食い込むなど具体的な痛みを訴える患者も多くいました。

 

この痛みを持つ患者の多くは、今まで気のせいだと家族からも周囲からも理解されていませんでした。以前から重症の患者には痛み止めが処方されていました。すると、確かに効果があったのです。腕や足は存在しませんが、痛みは実際に起きていると考えられました。

 

1991年、ラマチャンドラン医師は脳神経外科医として活躍していましたが、幻肢痛の決定的な治療法は発見できていませんでした。しかし、長年の研究からある1つの仮説にたどりついていました。それは情報キャッチボールの失敗です。

 

例えば、人が椅子に座るという動きをする場合、足や腰を曲げれば座れそうですが実際には転倒しないように脳が体全体に働きかけています。そして、体の各所から確かに動いたとリターンしていきます。そして、脳の中ではリターンされた情報をもとに脳内に体のイメージが作られます。

 

しかし、腕や足を失っている場合、リターンがなくイメージが作れず脳が混乱します。やがて、中心後回が誤作動を起こし幻肢痛が起こったと考えられるのです。ならば、失った足や腕から正常にリターンしてやれば幻肢痛は治るはずとラマチャンドラン博士は考えました。

 

4年後の1995年、ついにラマチャンドラン博士は幻肢痛を治す鍵を見つけました。ある患者はなくなった腕で「カップを掴もう」と思うと脳に掴んでいる感覚が生まれると言うのです。その患者に幻肢痛は起きていませんでした。その患者はカップが引っ張られたのを見て、腕が引っ張られて痛いと感じたのです。ラマチャンドラン博士は、視覚がないはずの腕や足が大きく関係していると気付いたのです。そして、失った腕が動いていると錯覚させてやれば幻肢痛は治るのではと考えました。

 

ラマチャンドラン博士は、ミラーボックスを使って錯覚を与え脳の騙すことを思いつきました。この方法は「ミラー療法」と名づけられ、多くの幻肢痛に悩む患者に有効であることが確認されました。ラマチャンドラン博士の研究は大きな反響をよび、全く新しいリハビリ方法として世界中に紹介されました。

 

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