痛くない注射針の開発|夢の扉+

関西大学システム理工学部教授の青柳誠司さん(49歳)は、ロボットアームなどを研究開発する生粋のエンジニアです。そんな青柳さんは、蚊の研究をすることで痛くない注射針の開発をしています。

 

蚊には3本の針があり、まず片側の針が刺し、その針を引き抜くと同時に血を吸う真ん中の針を挿入。そして抜かれると3番目の針が入ります。つまり、3本の針が連動しながら最小限の穴を掘り進めているのです。これは刺した時の痛みを軽減させます。また、針の形状はのこぎりのようにギザギザしています。のこぎり状になっていることで皮膚とこすれる面積が少ないため痛みが減るのです。

 

青柳誠司さんは、鉄腕アトムに憧れ東京大学工学部に入学。エンジニアとしてひたすらロボットの研究に邁進しました。ところが、ロボットについて知れば知るほど「とても人間の能力には近づけない」と打ちのめされました。やがて研究室にはロボット工学関連に混じって、生物学者が読むような専門書が並ぶようになりました。

 

14年前、はじめて蚊の針がのこぎり状であることを知った青柳さん、エンジニアの血が騒ぎました。針をのこぎり状にすれば痛みの少ない注射針ができるはずだと考えました。何種類ものノコギリ針を用意。しかし、大学の研究室だけでは技術的にその製造は不可能でした。

 

その時、ライトニックスという小さな医療機器メーカーが協力したいと名乗りをあげました。ライトニックスの社長・福田さんと青柳さんは、まず蚊の構造を調べつくすことにしました。それには生きている蚊が大量に必要でした。2人がかけこんだのは蚊取り線香で有名なKINCHO大日本除虫菊です。

 

ライトニックスは、2012年3月に痛くない採血針ピンニックスライトを発売。20の医療現場へ2万個を納入しました。しかし、青柳誠司さんが作ろうとしているのは刺されても痛くない究極の注射針です。青柳さんは0.015mmと0.03mmからなる3本の針を開発。今は、極細の針に穴を開けて注射針としての機能を持たせようとしています。

 

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痛くない注射針の開発



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