ウエストナイルウイルス|ザ!世界仰天ニュース

日本テレビの「ザ!世界仰天ニュース」病原菌スペシャルで全米に広がったウエストナイルウイルスについて放送されました。

 

1999年、アメリカ・ニューヨークのラガーディア国際空港の周辺が突如パニックにおそわれました。記録的猛暑が続いた8月、謎のカラスの死骸が多数目撃されるという奇妙な出来事が起こり始めました。

 

エンリコ・ガブリエリ(60歳)は軽い頭痛と寒気におそわれました。ただの風邪と思っていましたが39度の高熱にうなされ、手足に力が入らなくなってしまいました。ついに意識を失い病院へ運ばれました。急な高熱と全身の筋肉弛緩の症状で脳炎と思われましたが、医師たちも見たことのない謎の症状で倒れました。そして次々と似た症状で倒れる患者が運ばれてきました。3日後には80歳の男性が、さらに3日後には75歳の男性が、1週間に同じ症状の患者が3人も運び込まれてきたのです。3人の患者の家はラガーディア国際空港から近い場所にありました。この時は誰も気づいていませんでしたが、カラスの死骸が目撃されたエリアとほぼ同じだったのです。医師たちは3人の共通点を探しましたが、日焼けして体格が良いことぐらいしか共通点はありませんでした。

 

8月末には29歳の女性が入院、患者は増えていきました。医師たちはCDCに調査を依頼することにしました。CDCとはアメリカ疾病予防管理センター。アメリカ国内において「国民の医師」とも言われるアメリカ最大の保健機関です。その研究、調査能力は世界的に認められておりCDCから発表されるガイドラインは日本やイギリスなどでも採用されています。

 

全ての患者の血液と骨髄液がCDCに送られました。そしてCDCは感染症捜査官を現場へ向かわせました。ヒントは家の庭におかれた溜まり水にありました。溜まり水にはアカイエカのボウフラが生息していたのです。アカイエカは屋内を好む蚊で日本など世界中に生息しています。脳炎のウイルスを運ぶことがある種類としても知られています。病を発症した人の多くは趣味がガーデニングや日光浴など屋外での活動を好む人たちでした。すぐに調査が行われセントルイス脳炎であることが分かりました。ニューヨーク市はすぐに対応し、殺虫剤を撒きました。

 

ところが、市民から「セントルイス脳炎とカラスの死は関係があるのか?」と聞かれました。しかし、セントルイス脳炎にかかってもカラスが死ぬことはありません。カラスの死とは無関係と結論付けられました。しかし、このCDCの発表は間違っていたのです。

 

獣医病理学者のトレーシー・マクナマラはブロンクス動物園の病理主任をしています。ブロンクス動物園では8月の初めから40羽以上のカラスの死骸が発見されていました。さらに2羽のチリフラミンゴと白頭ワシ、南米ヒメ鵜もウイルス脳炎で死にました。一方、影響を受けていないのはマゼランペンギン、キウイでした。死んだ鳥たちはアメリカ大陸固有の鳥だったのです。研究員が病理検査をしている時に間違って死んだ鳥の血がついた注射針を刺してしまい高熱に倒れました。トレーシーはCDCに連絡し、死んだ鳥のサンプルと感染した研究員のサンプルを送ると言いましたが、取り合ってもらえませんでした。トレーシーは国立獣医学研究所に死んだフラミンゴと研究員の血液サンプルを送り検査を依頼。さらに、米国陸軍感染症研究所にも検査を依頼しました。

 

検査の結果、未知のウイルスが検出されました。未知のウイルスはCDCに送られ検査されました。そして9月23日、未知のウイルスはウエストナイルウイルスであることが分かったのです。ウエストナイルウイルスとは1937年、ウガンダのナイル川西側地域で初めて検出されたウイルスです。蚊によってうつるウイルスの一つでセントルイス脳炎ウイルスや日本脳炎ウイルスと遺伝的に近いものです。これまでにイスラエル、南アフリカ共和国、ルーマニアなどで感染者を出していますが、重症になることは少なくアメリカ大陸に現れたこともありませんでした。鳥と蚊の間に感染サイクルがあり、この蚊に刺されると人にウイルスが感染します。セントルイス脳炎ウイルスでは鳥は死にませんが、ウエストナイルウイルスでは鳥も発病し病死します。ウエストナイルウイルスは、感染した蚊に刺されても80%の人は全く症状が出ません。約19%の人は発熱などインフルエンザに似た症状を発症します。そして約0.7%の人がウエストナイル脳炎など重症化します。

 

ニューヨークで始まった感染はわずか数年の間にアメリカ合衆国を横断。今年はこれまでで一番被害が報告されています。感染者は4725人、死者は219人にものぼっています。特に温暖な気候のテキサス州は多くの被害が出ています。ウエストナイルウイルスを運ぶ蚊は30種類以上、鳥は80種類以上が確認されています。現在もまだワクチンは開発されておらず、抗生物質も効きません。




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