見えない乳がんを写すスーパーレントゲン|夢の扉+

TBSテレビの「夢の扉+(ゆめのとびらぷらす)」で見えない乳がんを写すスーパーレントゲンについて放送されました。100年も昔に生まれたレントゲンは医学に多大なる貢献をしてきました。そんなレントゲンが今生まれ変わろうとしています。増え続ける乳がんは日本人女性が最もかかりやすいがんです。早期発見が何より大事ですがレントゲンでは発見が難しいケースもあります。東北大学多元物質科学研究所教授の百生敦(ももせあつし)さん(50歳)は物理工学を武器にレントゲンの常識を超えました。開発したのはスーパーレントゲン。乳がんや関節リウマチなど様々な病の早期発見に希望を与えました。

 

乳がんの検診は専用のレントゲン装置マンモグラフィーを使います。しかし乳腺が発達している若い女性の場合、乳がんを見つけるのが難しいと言います。しかし、スーパーレントゲンを使えばがんを見つけやすくなります。スーパーレントゲンの開発者は百生敦さん。レントゲンは柔らかい組織を写すのが苦手ですが、百生敦さんはその弱点を克服しました。しかもスーパーレントゲンの解像度はMRIの約100倍です。

 

百生敦さんの哲学は「人に役立つ研究でなければ意味がない」というもの。その原点は両親との忘れがたい思い出にありました。重い病をかかえ入退院を繰り返していた父。そんな父親を喜ばせたいと百生敦さんは「絶対、東京大学に合格してみせる」と誓いました。百生敦さんは猛勉強し見事に東大に合格。しかし、その知らせは父の葬儀のさなかでした。大黒柱を失い苦しいながら母は惣菜売り場で働き毎月3万円を仕送りしてくれました。父の存在と母の支えがあって勉学を続けられた百生敦さんは「人の役に立つ研究をしよう」と思うようになりました。新しい技術を開発し社会に貢献する学問「物理工学」へと進みレントゲンと出会いました。

 

1895年、ドイツの物理学者ヴィルヘルム・レントゲン博士が発見したレントゲンは、ノーベル物理学賞を受賞した大医療です。しかし、レントゲンは骨はよく写りますが筋肉や臓器など柔らかい組織は鮮明に写りません。それは100年変わらない医学の常識でした。百生敦さんはその常識に挑みました。百生敦さんが注目したのは誰も見向きもしなかった柔らかいものを通る時のX線の屈折というレントゲンの性質。しかし、その角度は1万分の1度。そして1996年に柔らかいものも写せるレントゲンの開発に成功しました。しかし、実験装置は日本武道館とほぼ同じ巨大な施設が必要でした。これではとても病院では使えません。小型化しなければスーパーレントゲンは実用化できず人の命を救うことは出来ません。

 

そこで百生敦さんはモアレを利用することを思いつきました。スリットを通ったX線は細い縞模様になります。これを柔らかいものに当てるとX線がわずかに屈折し縞模様に歪みが生じます。これを元の縞模様と合わせるとモアレが現れます。このモアレをコンピューターで解析すると、これまで写せなかったものを見ることが出来るのです。日本武道館ほどの広さが必要だったスーパーレントゲンが小型化されました。さらに将来的には診療所にあるレントゲンに金色の板を取り付けるだけで柔らかいものでも写し出せるようになると言います。




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