人工光合成 CO2からエネルギーを作り出す|夢の扉+

TBSテレビの「夢の扉+(ゆめのとびらプラス)」でCO2からエネルギーを作り出す人工光合成について放送されました。地球温暖化の原因とも言われるCO2(二酸化炭素)は今は邪魔者、厄介者。しかし、そのCO2からエネルギーを生み出そうと研究をしているのがパナソニック先端技術研究所の山田由佳(やまだゆか)さん(49歳)です。光と水を使いCO2からエネルギーを作り出す人工光合成(じんこうこうごうせい)という新技術です。山田由佳さんは3人の研究員と共にこのプロジェクトを率いています。そもそも光合成とは太陽の光によってCO2と根っこが吸い上げた水が反応。酸素、植物の栄養分となるでんぷんや糖が作られます。30億年以上繰り返されてきた光合成により地球上の全ての生命は生かされてきました。そんな植物が持つ能力を人工的に再現しようとしたのが人工光合成です。植物の光合成はCO2を減らすと同時に栄養素を作ります。一方、人工光合成は栄養分のかわりにエネルギーになる有機物を作ろうとしています。目指すのは太陽の光で人工光合成を行い都市ガスの主成分であるメタンガスやエタノールを生み出すことです。

 

山田由佳さんたちは100m四方のプラントで年間10トンのCO2を吸収し6000リットルのエタノールを生産する構想を進めています。それは同じ面積の森を作るのと同様のCO2削減効果があります。人工光合成は地球と人類を救う技術なのです。

 

電機メーカーの研究員として半導体など最先端の研究をしていた山田由佳さんに転機が訪れたのは13年前。きっかけは会社のポスターでした。描かれていたのは45億年もの歴史ある地球が、この250年たらずでCO2を出し続け燃え尽きていく様。自分に何が出来るのか悩む山田由佳さんに当時の所長だった安立さんは「これからの電機メーカーの使命である環境エネルギーに取り組んで欲しい」と声をかけました。山田さんが選んだ研究は出し続けたCO2をリサイクルしてエネルギーにかえる人工光合成。それは当時、世界中の科学者が取り組むも植物のレベルには遠く及ばない技術でした。そこへ日本の電機メーカーが挑みました。はじめに目指したのは人工の光を使って水に溶かしたCO2を反応させること。ところが何度やってもうまくいきませんでした。ネックになっていたのは光触媒。目指す人工光合成には光を受けより効率的にたくさんの酸素と電子を生み出す光触媒が必要でした。山田さんが率いる研究チームは理想の光触媒を求め実験を繰り返しました。

 

きっかけとなったのは東京理科大の大川教授が行っていた窒化ガリウムという半導体の研究でした。ついに理想の光触媒を見つけた山田由佳さん。ところが光触媒から強い電気は生じるものの、それを運ぶ燃料に辿り着く前にロスが生じ弱まってしまいます。すると、研究員の一人が「電極ごと水に浸けてみたらどうでしょう?」と言い出しました。実験を始めて2ヶ月、ついにCO2が反応。光を受けた光触媒から発生した酸素と電子。強いパワーを保ったままの電子は隣の水槽へと移動。そこにある金属触媒の力を借りて水中のCO2を変換。ついにエネルギーとなりうる有機物を生み出したのです。実験を繰り返した山田由佳さんたちは2012年、光からエネルギーを生み出す変換効率をそれまでの0.04%から0.2%にまで引き上げることに成功。本物の植物に追いつくという世界でもぶっちぎりの人工光合成技術を実現したのです。




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