ひき逃げ事件に見せかけ保険金をもらおうとした親子の事件|アンビリバボー

フジテレビの「奇跡体験!アンビリバボー」で保険金を騙し取るためひき逃げ事件に見せかけた親子について放送されました。

 

2002年2月9日、無職の岡田博(仮名)が自宅から500m離れた路上でひき逃げされ死亡しました。体からはアルコール臭が漂っていました。普段は酒を飲まない男性でしたが、この日はたまたま酒を飲み酔ってふらついていた所を車に撥ねられたのだと思われました。現場には岡田を轢いた車のヘッドライトの破片が散乱していました。ひき逃げ現場からほど近い路上で壊れたトラックが発見され、岡田がひき逃げされた現場に残っていた破片がトラックのものと一致。トラックはある運送会社のものでした。トラック運転手とは連絡が取れなくなっていました。警察はひき逃げしたトラック運転手が怖くなって姿をくらませたと判断。彼の行方を追いました。ところが事件の翌日、10km程はなれた国定公園でトラック運転手の死体が発見されました。死亡推定時刻は8日の午前0時。ひき逃げ事件の1日前に殺されていたことが判明したのです。

 

岡田は妻と息子3人の5人暮らしでした。数年前、教材の販売会社などの事業を営んでいましたが失敗。その後、仕事に恵まれず無職の状態で、一家は長男・一樹(仮名)の給料に頼っていました。ひき逃げされた日、岡田は仕事を探しに出かけていました。

 

一方、トラック運転手は殺害された夜、配送センターの前にトラックを停めていました。それを付近の住民が目撃していたのです。ところが明け方、他のトラックが到着した時、問題の運転手の車は見当たらなかったといいます。夜から明け方にかけてドライバーに異変があったのは明らかでした。そこで警察は配送センター付近の路上を綿密に調査。すると近くの路地まで点々と続く血痕を発見。トラック運転手の懐には現金が入った財布が残っていたため、物とりの犯行とは考えられませんでした。また彼は仕事が趣味のまじめな人間。誰かの恨みをかうようなことも考えられませんでした。

 

犯人の有力な情報が浮上することもなく1週間ほどが過ぎようとした時、岡田の長男・一樹が警察にやってきました。一樹によると、ひき逃げ事件の前日、父親から荷物を運ぶから手伝って欲しいと連絡があったといいます。そこで一樹は勤め先の軽トラックを準備。父親はトラックで走り去り、すぐに戻ってきたと言います。戻ってきたとき荷台には白いシートに包まれた荷物が乗せられていました。それから父の指示で国定公園へ。長男は車から降ろされ父親はトラックに荷物を乗せたまま一方通行を逆走していきました。父親が戻ってきた時、荷物はなくなっていたそうですが、それほど気にならなかったと言います。父親が荷物を捨てた辺りは不法投棄で粗大ごみが捨てられている所でした。無職でお金に困っている父親がやっかいなゴミの処分をうけおっても不思議ではありませんでした。そして翌日の夜、父親はひき逃げされました。一樹はショックを受けましたが、翌日のニュースで白いシートに包まれた死体が発見されたことを知り、父親が殺人に関わったのではないかと思ったと言います。そして一樹は父親の友人ムラオカから電話で呼びだされ脅されているといいます。警察は長男の協力をあおぎ、引き続き事情聴取を行ったものの怯えているのか供述に曖昧なところがありました。そして警察に協力を始めてから3日後、長男は自宅近くのマンションから飛び降り自殺しました。自宅から遺書が見つかり、「自分は事件に関係ない。早く犯人を捕まえてほしい」と書かれていました。

 

警察はムラオカの手かがりを求めて岡田親子の周辺を徹底的に調べましたがムラオカの行方はつかめませんでした。一方で、岡田は4年前に事業の失敗で1億円近い借金を背負っていることがわかりました。さらに消費者金融などにも1400万円もの借金があり、月々140万円の返済に追われていました。

 

そして警察は長男と親しくしていた女性にたどりつきました。女性によるとムラオカの正体は岡田だと言います。ひき逃げ事件の半年前、岡田は生命保険に入り長男に自分を殺すように頼みました。計画の第一段階はトラック運転手を殺害して、トラックを奪い行方不明になったように見せかけること。運転手であれば誰でも良かったのです。親子はトラック運転手をすぐそばに路地に引きずり込み殺害。ビニールシートに包み7km離れた国定公園の山の中にトラックで運び遺棄。そして翌日、親子は最後の計画を実行しました。岡田が加入した生命保険は交通事故で死亡した場合により多くの保険金が支払われる特約がついていました。特約がつけば支払われる保険金は1億円近くになります。そこで交通事故を装って命を絶ち保険金の最高金額を騙し取る計画を立てたのです。通りで他人の車に飛び込む方法もありましたが、ブレーキをかけられ一命をとりとめたら元も子もありません。確実にひき殺されるための方法でした。

 

家宅捜索で岡田が黒幕であることを裏付けるメモが見つかりました。それは長男にあてたメモ。「事件はお前の責任ではない」と書かれていました。裏付け捜査の結果、強奪されたトラックからは運転手殺害のとき、返り血をあびた岡田の指紋が血のついた状態で検出されました。もし殺害されたトラック運転手の死体が見つかっていなければひき逃げを起こしたトラック運転手が怖くなって失踪した事件として扱われていました。そうなれば、まさに岡田の計画通りだったのでしょう。しかし、トラック運転手を殺害したあと、恐怖心からか親子は死体をシートでしっかり包んでいませんでした。そのため、山の中に投げ捨てた時、シートから足がはみだしすぐに発見されてしまったのです。さらに遺体を捨てた付近はゴミの不法投棄で悩まされていました。それを防ぐため監視カメラが設置されていたのです。ニュースで初めてこれに気づいた長男は愕然。遺体を運んでいる様子が監視カメラに映っているに違いないと思い警察に出頭して何とか取り繕うとしたのです。父親と一緒にシートに包まれた荷物を運んだことを認めた上で架空の黒幕をでっちあげようとしたのです。しかし、自分のついた嘘においつめられ自殺したのだと思われました。長男を自滅においこんだ監視カメラの存在。しかし実は警察は監視カメラの映像を分析し不審なトラックが映っているのは把握しましたが誰が運転しているのかは特定できずにいたのです。

 

警察は岡田と長男を殺人や死体遺棄などの容疑で被疑者死亡のまま書類送検。そして警察は容疑を認定しました。岡田は長男にひき殺される夜、よそ行きのブレザーを着て家を出て、恐怖心を和らげるため普段は飲まない酒を飲んでいました。岡田の計画は何の罪もないトラック運転手の命を奪っただけでなく、愛する長男の命も奪い残された家族の未来をも奪ってしまったのです。




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