肥満と遺伝子の関係|世界ふしぎ発見!

TBSテレビの「世界ふしぎ発見!」人はなぜ太るのか?生命と肥満のミステリーで肥満と遺伝子の関係について放送されました。

 

肥満の定義は「体重(kg)÷(身長)2」したBMIが30以上なら肥満とみなされます。(日本では25以上で肥満)この定義で世界1、2位を争う肥満大国アメリカは、成人の34%が肥満だと言います。もちろん太っていても健康なら何の問題もありません。しかし肥満は糖尿病や高血圧、高脂血症などになるリスクを持っています。ヨーロッパでも肥満は増加し、原因となる食品に税金をかける国が増えています。日本では40~60代の男性に集中して肥満の割合が増加しています。

 

アメリカでは肥満は子供たちにも広がっています。夏休みに肥満を解消するためのキャンプ「ウエルスプリングス・サマーキャンプ」が開かれると言います。ここにやってくる子供たちには共通の問題点があります。それは持ってうまれた体質。彼らは他の子供たちよりも食べたものを蓄積しやすいのです。

 

髪がブロンズの両親からブロンズの子供が生まれやすいのは髪をブロンズにする遺伝子が引き継がれるからです。同様に太りやすい体質も親から子へと受け継がれていくのではないか。もしそういうものが存在するなら、それが肥満遺伝子です。肥満遺伝子の存在を最初にとなえたのが約50年前、アメリカのJ.V.ニール博士です。

 

約400万年前、私たちの祖先である猿人がアフリカで誕生しました。当時は植物を採取したり動物を狩りしたり自然に寄り添いながらの生活でした。そのような生活は常に飢餓の恐怖に晒されるものです。しかし約1万年前に人類に大きな変化が起こりました。農耕の始まりです。人類は種をまくことで毎年一定量の食料を得る方法を発明したのです。この時代、食料が安定し実際に肥満の人がいたことを表しているのが豊穣のシンボル地母神です。しかし、誰もが好きなだけ食べ物を食べられるようになったのは、わずかここ数十年のことです。つまり人類の歴史はほとんどが飢餓との闘いだったのです。

 

人類は生き残るための戦略を遺伝子に受け継いできました。飢餓に備えてエネルギーを体内に脂肪として溜め込む遺伝子です。ニール博士はこれを倹約遺伝子と名づけました。それは長く続いた飢餓の時代に人類にプラスの役割をしてきました。ところが、人類史で一瞬にしかすぎない飽食の時代が訪れると状況は逆転。それは太りやすい遺伝子としてマイナスに機能するようになったのです。これが肥満遺伝子の正体とニール博士は考えました。

 

そして1995年、ついに肥満遺伝子と考えられるものがアメリカ先住民ピマインディアンから発見されました。ピマインディアンは成人で肥満の人の割合が7割以上。世界で最も太っている民族と呼ばれていました。その遺伝子とは特殊な配列を持つβ3アドレナリン受容体という遺伝子。ピマインディアンの半数以上の人が持っています。β3アドレナリン受容体を持つと通常の人より基礎代謝が1日あたり200キロカロリー低くなります。余ったエネルギーは体内に脂肪として溜め込まれます。つまりβ3アドレナリン受容体を持っている人は太りやすくなるのです。

 

その後の研究で肥満に関連する遺伝子はピマインディアンのものだけでなく数十個あることが分かってきました。ロックフェラー大学ジェフリー・フリードマン博士によると、病的な重い肥満の場合は遺伝子が関係している割合が高く7割くらいだそう。一方、ちょっと太った程度なら遺伝子の関与は少なく環境が原因だと言います。




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